広島初中高で補助金支給求め緊急集会
2013年03月14日 10:27 権利朝鮮学校を「高校無償化」制度から除外するという日本政府の発表後、広島県では「県民の理解を得がたい」という理由で、来学年度の当初予算案に広島朝鮮学園への補助金を計上しないことを決定し、同時に保留状態にあった今年度分も払わないと決めた。広島市も県の方針に従った。
このような状況で「広島朝鮮学園に対する補助金打ち切りに抗議する緊急集会」が1日、同校で行われ、県と市の決定撤回を求めた。
集会には、県内の同胞、保護者、高級部生徒、日本人士ら350人が参加した。
集会では、広島初中高教育会の韓政美会長による現状報告に続き、オモニ会の梁明子会長、教員代表の秋剛鎬さん、生徒代表の柳美久さん(高3)が発言した。発言者たちは、「学ぶ権利が奪われる危機感を感じる」「こんなにも露骨な差別を初めて受けた。私たちの存在とは一体何なのか」「配慮ある対応をしてほしい」と話した。
続いて、日本原水爆被害者団体協議会の坪井直代表委員、「民族教育の未来を考える・ネットワーク広島」の村上敏代表、I女性会議広島県本部の佐藤奈保子議長、寺西環江弁護士(広島弁護士会)が発言した。
坪井氏は、「核実験と関連して補助金を支出しないというのは間違えている。反核運動に携わる者として、今後、会議や集会でこの問題について発言していきたい」と表明した。
集会では、「広島県被爆2・3世の会」の奥尾秀之事務局長の連帯メッセージも紹介された。
集会の最後に、広島県の湯崎英彦知事宛ての「抗議と要請」を同校の金英雄校長が朗読した。
「抗議と要請」では、20年以上にわたって支給されてきた補助金を打ち切ることに対し、現在、広島の朝鮮学校関係者が遺憾の意を表していると指摘した。そして、全国に先立ち広島朝鮮学園を「1条校に準ずる学校」と認定してきた広島県が、政治的な問題を掲げ、朝鮮学校に対し、差別のように見える措置を講じていることに対し、学校関係者の驚きと憤りは極限に達していると指摘した。さらに、県下全同胞、集会に参加した日本人士の名で抗議し、補助金を計上するよう強く求めることについて指摘した。また、今後力強くたたかっていく決意がなされた。
集会後、記者会見が開かれた。
高級部3年の生徒らは、高級部入学(2009年)以降、現在も「無償化」が適用されず、「納得できない」という感情を抱き学校生活を送ってきたと述べ、今回の補助金停止という通告に怒りを示し、後輩たちのために今後もたたかい続けたいと決意を表明した。
広島朝鮮学園と「民族教育の未来を考える・ネットワーク広島」は今後、県と市を対象にした1万人署名活動を行い、3月末に県知事と松井一實市長宛に提出する予定だ。
高級部生徒は知事に、中級部生徒は市長に、「なぜ補助金が支給されないのか。私たちは民族の心を学んでいる。ぜひ朝鮮学校で私たちが学ぶ姿を見てほしい」という心情を込めた手紙を送った。
一方11日、広島県教職員組合が広島初中高を訪れ、関係者に多額の支援金を手渡した。
【広島初中高】