青商会結成を迎えた青年と同胞たち、東阿地域同胞社会に新風を
2013年03月01日 10:16 暮らし・活動大阪・東阿地域青商会(2月24日結成)は2月28日、結成後初の幹事会を行った。主な議題は、4月に行う総聯支部主催の花見を、青商会としてどのように主管し、盛り上げるかについて。青商会が結成されたことで、「同胞社会」や「ウリハッキョ」という単語が自然に飛び交う。このような光景ができるまで、数年が要された。いま、東阿青商会発の新風は、東阿同胞社会を変貌させようとしている。
結成までの過程
2010年秋、総聯東阿支部の常任委員会に2人の30代が部長として選出された。地方の朝鮮学校で教員として勤めた後、地元東阿地域に戻ってきていた金ソルさん、そして、専従活動家として働いた後、仕事の関係で他県から東阿地域に移り住んできた韓柱生さんだ。
2人は、ともに30代。総聯支部を盛り上げるとともに、青商会で活動したいと考えていた。
ちょうどその頃、2人は東阿地域で分会長を長年務めた1世同胞の次男である金相健さんが、東阿にいるという情報を得ていた。2人は、過去に東阿の朝青活動を先頭で引っ張っていた鄭康浩さんと一緒に、昨年9月、金相健さんを食事に誘った。
金相健さんは東阿では、「彼が青商会会長をやるならついていく」と言われるような、世代の中心メンバーの一人だったという。しかし、朝鮮大学校卒業後は仕事の関係で各地を転々としていて、東阿同胞社会に貢献はできずにいた。心の中ではいつも東阿地域に役立たねばという熱い思いを抱いていたという。
金ソルさん、鄭康浩さん、韓柱生さんは、食事会の席で、金相健さんにこのような投げかけをした。「東阿地域にも青商会が必要。協力していただきたい。会長として先頭に立ってほしい」。
金相健さんは、幼い頃から知る後輩たちの同胞社会への熱い思いに、体中が火照るのを感じたという。その場で、戸惑うことなく、自らが会長に就くと即答した。東阿同胞社会に育んでもらったことへの恩返しでもあり、分会長として愛族愛国活動に身を捧げてきた父と同じ道を進むことは、むしろ自然な考え方でもあった。
これがきっかけとなり、このメンバー4人による結成準備委員会が作られた。金相健さんが委員長を務めた。4人は東阿の同胞青年たちひとりずつと会い、青商会結成の意義について説いた。反応はよかった。中には役員候補も現れた。
約半年間の実質的な準備過程を経て迎えた2月24日の結成総会。そこでは、今後の活動の方向性、すなわち、▼東阿同胞青年の連携強化▼学習会、講演会などによる人材育成▼朝鮮学校を守ること▼繁栄する東阿同胞社会の構築――を提示した。
鼓舞される同胞
同胞青年たちが集うこと自体に、東阿同胞たちは喜びを隠せないでいる。
東阿青商会の金相健初代会長が読み上げた決意文には、学齢前の子どもを持つオモニたちの組織作りをサポートしたいという文言があった。女性同盟支部の役員たちはこれに着目した。
専従活動家がいない女性同盟支部では、幼い子を持つ若いオモニたちを網羅する組織作りに着手できずにいた。
金瑞利副委員長(48、非専従)は、青商会が子どもサークルを作るために尽力したいと意気込む姿に鼓舞されたという。さらに多くの子どもたちをウリハッキョに入学させるため、自身も尽力したいと新たな思いを語った。
朝青支部の金賢委員長(31、非専従)の場合、サラリーマンである自身が朝青卒業後に、どこに身をおいて、同胞社会に貢献できる活動をすれば良いか迷っていたという。
「青商会はウリハッキョや地域同胞社会の活性化を目指す組織。そのような受け皿の誕生を待望していた。朝青卒業後に青商会に入るという流れを作るのが自分の役割だ」
金聖漢さん(73)は、大阪・東成での朝青活動を皮切りに、長らく、総聯の活動に非専従活動家として没頭してきた。総聯東阿支部矢田分会の分会長として長らく務めた。
金聖漢さんの次男が、今回初代会長に選出された金相健さんだ。笑みを浮かべながら、「組織作りは30代の役目。東阿青商会の結成は、地域発展の土台になるだろう」と期待を込めた。
初代会長の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。その涙は、参加者たちの心情をあらわすようであった。
(李東浩)