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〈本の紹介〉明盡(ミョンジン)著「鼠耳読経-衆生がつらいと仏もつらい

2013年02月09日 13:18 文化・歴史

MBの犯罪性、完膚なきまで喝破

「史上最悪の大統領」、MBこと李明博がようやく「明博(ミョンバク)山城(サンソン)」ならぬ青瓦台から消え去る日が近づいている。まさに地獄のような歳月だったが、「失われた5年」どころではない。MBは時代を3、40年も逆戻りさせ、政治、庶民経済、社会関係、外交、南北関係、自然環境、人心などすべてを破壊、破滅させたといっても過言ではない。

〈「民族21」愛読者の会、李一満訳、1,500円

前科14犯の犯罪人だったMBを大統領に選んだのは国民だった。案の定、MBはバラ色の公約をすべて反故にし、裏切り続けた。結果、国民が血涙を流し後悔したが時すでに遅し。指導者の選択を一度誤れば民族的な次元でいかに悲惨な災いを招くかということを貴重な歴史的教訓として残した。

当初からMBの正体とその危険性を誰よりも徹底的かつ一貫して暴露・糾弾し世人に警鐘を鳴らし、そのために権力側の陰険な攻撃と弾圧を受けながらも決して屈することなく命を賭してたたかい続けてきた真の宗教指導者、哲人がいた。統一を目指す民族誌「民族21」の発行人、「真実の力財団」理事長の明盡(ミョンジン)師である。

希代の詐欺師MB(政権)の不正腐敗ぶり、犯罪性を完膚なきまでに批判した師の著作「鼠耳読経-衆生がつらいと仏もつらい」(朝鮮語文)が、2011年12月に、南で発刊されるやたちまち超ベストセラーとなった。「私は誰か?」「人の意味は?」をとことん問い、真理と正義を成就する道を求め続けた自叙伝「僧は思春期」を併せて読むと、師の思想、哲学、人間としての奥深さがよくわかる。人間はいかに生きるべきか、わが民族はどうあるべきかの問いに対してこれ以上ない反面教師がMBなのだ。「馬の耳に念仏」を朝鮮語では「牛耳(ウイ)読経(ドッキョン)」というが、人間に有益な牛には失礼で、MBは国民から鼠と呼ばれ、有害な存在でもあるので「鼠(ソ)耳(イ)読経(ドッキョン)」とタイトルをつけた。

日本語訳が今刊行される意味はむしろ大きい。MBとの徹底した「差別化」で生き延び、大統領を誕生させた、MBと根を同じくする「セヌリ党」政権が生まれたからだ。本書は、歴史から教訓を学び、南社会の今後の行方を正確に見据える上でも貴重な示唆を与える。同胞にも日本の人々にも広く一読を勧めたい。

(崔寛益)

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