東京・銀座で開催/東京朝高3年生・許聖芽展
2013年01月23日 09:32 文化・歴史東京朝鮮中高級学校の高級部3年生・許聖芽さんの個展「許聖芽展」が東京・銀座西欧ギャラリー(東京・中央区)で13日~20日にかけて行われた。

お気に入りの「子宮から母胎に至るハニカムサイクル」と許聖芽さん
後援は、在日朝鮮学生美術展実行委員会、東京中高美術部。個展には、許さんの作品全17点が展示された。(写真)
会場には、朝鮮学校の生徒、教員をはじめ日本市民など多くの美術ファンが足を運んだ。
許さんは、幼い頃から漫画や絵を観ることが好きで、描くことへの探究心が強かったという。東京朝鮮第4初中級学校中級部の頃に美術部に入り、絵筆を握りはじめた許さん。中級部3年生のとき、「在日朝鮮学生美術展」で見事、特別金賞を受賞し、高級部では「高校生国際美術展」で奨励賞を受賞。また、「東京都高等学校文化祭中央展」で奨励賞を受賞するなど評価されてきた。
許さんは、「絵の主題が見つかった時が一番楽しい。また、絵を描き始めたらもっと楽しいし、完成後の自分の絵を観るのもとても楽しい」と語った。
美術の魅力については、自分の感じたことや思ったことを絵で自分なりに表現できるところがいいと話す。「今回、東京・銀座で、自分の作品を披露する機会を得て、とても感謝している。美術部がどんな活動をしているのか、存在をわかってもらえればと思う。これからは、もっと色んなジャンルに挑戦していきたい。今回、個展を通してこれからの注意点や絵の魅せ方などの勉強になった」と話した。
「二律背反」という題名の絵を観たある20代の日本女性は、「朝鮮学校に通いながらチマ・チョゴリと第2制服をまとう女子生徒たちが抱える葛藤を考えさせられた」などの感想を語った。
また、東京朝高の美術部を指導している崔誠圭教員は、「この個展に多くの人が足を運んでくれて本当にうれしい。中級部の頃から在日学生美術展に参加し、受賞を重ねる中で美術への夢を抱き続けた彼女は、高級部でも美術部で活動しながら水彩を中心に様々な作品を制作してきた。作品の一つ一つを 自己表現として大切に制作し、積み重ねて行った結果が今回の個展につながっている。決して浮ついた展示ではなく、蓄積の結果としての個展だと思う。毎年、学生美術展の審査では創造力にあふれたの聖芽の作品を全国の美術教員たちは楽しみにし、温かく見守ってくれた。学生美術展に出品した学生たちの作品はみな、 創造性にあふれ、可能性に満ちている。今回の個展がそんな後輩たちの目標の一つになることを願う」と述べた。
(金秀卿)
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