〈私たちのうた〉売られていく うちの 牡牛/尹福鎮
2012年12月03日 11:15 文化・歴史売られていく うちの 牡牛
モウモウ なきながら つれられて行く
離れるのが いやで
しきりに ふりむくんだ
売られていく うちの 牡牛
ぼくも 泣いたんだ
父さんも 母さんも
手綱もって 泣いたんだ
ユン・ボクチン(1907~1991)
大邱で出生し、法政大学英文科を卒業。1920年代少年雑誌「オリニ」で数多くの童謡を発表した。朝鮮戦争のときに北に移り、朝鮮の代表的な児童文学作家として活躍した。「童謡ハラボジ」の愛称で親しまれた。
※農業中心の朝鮮では素直で働き者の牛を家族のように大切にしてきた。そのため牛を手放すということは生計の危機であるとともに心のよりどころを失うことでもあった。
(選訳・金真美)