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茨城初中高で公開授業、朝鮮学校への理解深め、「高校無償化」連絡会も参加

2012年12月07日 14:21 民族教育

茨城朝鮮初中高級学校の公開授業が11月17日、同校で行われ、東京の「高校無償化」からの朝鮮高校排除に反対する連絡会(以下、連絡会)の関係者40余人をはじめ、茨城県内外の日本人士と関係者ら70余人が参加した。

生徒たちとともに記念撮影をとる参加者たち

公開授業は、「無償化」制度から朝鮮学校を排除している状況が長期化しているなか、制度適用の早期実現を求めて活動を拡げてきた連絡会の関係者らが、これまでいくつかの朝鮮学校を訪問するなかで、初中高の併設学校と寄宿舎を訪問する機会がなかったことから企画された。

全体集会では、学校側が日本市民に対して歓迎のあいさつを述べ、茨城同胞社会の歴史をよく知る李鏞周さんが「茨城朝鮮学校の沿革について」解説した。その後、授業参観、歓迎公演、学生代表のあいさつ、講演、座談会と多彩な内容で交流が進んだ。

朝鮮学校の授業を参観する連絡会メンバーと地域同胞

この日、参加者たちは教員たちとの座談会を持ち、朝鮮学校の存在意義を再確認した。

つづいて、田中宏・一橋大学名誉教授と「連絡会」の長谷川和男代表が講演した。

「私が教員だった頃、朝鮮学校との交流は教育者として一つのやすらぎであった。それは朝鮮学校が、日本の教育にはないものを持っていたからだ」「朝鮮学校に対する一連の差別政策は日本社会の現状をそのまま映し出している。そういった意味で朝鮮学校は日本社会の『鏡』のような存在だ」「朝鮮学校の『無償化』実現は私たちの責任である。必ず達成しなければいけない」

両氏の発言は、生徒、学父母、教員たちへの大きな励ましとなった。

講演で発言する連絡会の長谷川代表

同胞女性は、「生徒たちの楽器演奏、舞踊、合唱はまるでプロのような高い芸術性に溢れていた。また学生代表のあいさつを聞いて思わず涙が出た。彼らの心のあらわれであったと思う」と語った。

また、かつて定時制の日本学校で教鞭をとっていたある女性は、「自分も人数が多いとは言えないクラスを受け持ったことがあるが、それと比べても茨城初中高の生徒たちの姿からは寂しさも感じられないし、学ぶ意欲もすごい。民族の誇りを持って堂々と生活していて、その姿に感動した。同時に、子どもたちの姿を見て、教員たちの教育に対する情熱がこれを後押ししているのだと感じた」と述べた。

各地の朝鮮学校関係者らは「無償化」制度がスタートして以来、過去2年半に及ぶ長い期間、関係機関に足を運び、要請を続けてきた。茨城初中高学区の学父母、学生、教員、同胞らも、これまでビラ配り、署名運動、街頭宣伝などの活動を精力的に行ってきた。これまで配ったビラは1万枚以上、署名は現在2万5千871人にのぼる。今年3月には「無償化」が適用されないまま、2期目の卒業生たちが巣立っていった。

生徒たちに見送られながら別れを惜しむ連絡会メンバー

しかし、このような渦中に水戸市は、同校に81年から支給してきたわずかな補助金を今年度から打ち切ることを決め、加えて同市の議会で今年9月24日に可決した「朝鮮学校への補助金の全額支給停止を求める意見書」を茨城県知事あてに送っている。

この日、学校を訪問した連絡会のメンバーらは学生たちと教員たちの歌う校歌で見送られながら、同校を後にした。参加者らはこれからもこのような交流を通じ、民族教育に対する理解を深めていきながら、朝鮮学校の「無償化」実現のためにがんばっていこうと述べていた。

【茨城初中高】

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