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同胞福祉連絡会第6回総会、同胞福祉活動を全国に、特別講演も

2012年11月27日 09:56 権利

特別講演には、朝鮮学校教員や学父母、総聯の活動家らが参加した

在日同胞福祉連絡会第6回総会と同胞福祉問題特別講演が25日、東京朝鮮中高級学校多目的ホールで行われた。同胞福祉活動が同胞数の多い地域だけでなく各地で求められており、朝鮮学校でも障がいに関する専門的な知識が求められていることが浮き彫りとなった。そうしたなか、新役員を選出した連絡会は、活動を全国に広めることを第6期の活動方針に掲げた。

新代表選出、6期活動方針を討議

総会では第6期役員が選出され活動方針が示された

総会では、連絡会の愼英弘代表と総聯中央の朴久好副議長兼権利福祉委員会委員長があいさつした。

朴副議長は、「総聯は同胞の幸福と明るい未来が花咲くように同胞社会を盛りたてていこうと運動を展開している。その上で同胞福祉は欠くことのできない活動の一つだ。連絡会の活動を全国的に広め、ボランティアを拡大し、障がい者の実態をより正確に把握することが求められている」と述べ、連絡会の発展に期待を示した。

続いて第5期活動報告があった。

昨年9月、大阪で行われた第5回総会と結成10周年記念行事では、地域福祉の考え方を在日同胞社会に普及していくことを基本にしながら、東日本大震災が発生した社会的状況に鑑み、被災同胞に対する様々な支援の取り組みを福祉的な視点とアプローチで置き換え、参加者たちに知恵と力を与えた。

また、連絡会10年の活動、とくに同胞障がい者たちの音楽サークル「Tutti」の活動が、同胞障がい者の親ぼくを深め、その存在を広く知らしめるだけでなく、同胞ボランティアの育成、同胞の福祉意識の向上につながっていることが確認された。

一方、会報「ミレ」の発行部数を500部から700部に増加させ、福祉を志す同胞学生たちにまで連絡会の活動を広くアピールした。さらに、東京の朝鮮学校に通う同胞障がい児に対する支援も行った。

申桃順新代表から愼英弘前代表に花束が贈呈された。

こうした活動経験に基づき、第6期活動方針として、▼障がい者や高齢者を支援する活動をさらに推し進め、▼学生ボランティアのみならず同胞社会人のボランティア養成にいっそう取り組み、▼連絡会の活動をより広範な地域に広げていくことが示された。

総会では、申桃順新代表をはじめとする役員らが選出された。また、結成から11年、連絡会の代表を務めた愼英弘前代表に花束が贈呈された。

申桃順新代表は、朝鮮学校に通う同胞の障がい児の就職問題など、目を向けるべき課題がたくさんあるとしながら、広範な同胞や専門家の力を借りながら連絡会の活動を盛りたてていきたいと述べた。

 うつ病、自閉症をテーマに特別講演

総会に続き、同胞福祉問題特別講演「『障がい』を理解するために」が行われた。

精神保健福祉士の申貞順さん

まず、精神保健福祉士の申貞順さんが「うつ病に対する理解と社会復帰について-精神疾患・障がいとは何か-」と題して話した。

申さんは、うつ病を発症する原因やかかりやすい人の傾向について説明し、周囲の理解と適切な対応が必要だと指摘。その内容として、治療と休息を最優先し、無理に気晴らしに誘わない、励まさない、大事なことは回復後に先送りする、自殺のサインに気づく、家族や周りの人も休む、専門家や保健、医療機関と連携することなどを挙げた。

組織として病気を理解し対応することの重要性も強調した。

続いて、社会福祉士の李恵順さん(静岡ピアサポートセンター相談員)が「自閉症に対する理解とその支援について-知的障がいと『つなげていくこと』-」と題して話した。

社会福祉士の李恵順さん

李さんは、自閉症は発達障がいの中の一つの障がいであり、他の障がいと関連する部分が多く一人ひとり特徴が違うため、それぞれの特徴に合った適切な対応が必要だとし、対応のポイントについて具体事例をもって解説した。

また、診療や検査、専門機関への相談も重要で、学校や家庭で抱え込まないように専門家や医療・福祉機関と連携することが大切だと強調した。そして、障がい者やその家族が抱える問題にどのように向き合うか、同胞社会のあり方が問われていると問題を提起した。

特別講演には、関東の朝鮮学校教員、学父母たちも多数参加した。障がい児とどう向き合うのか、学校に何が必要か、講師に積極的に質問していた。朝鮮学校において、福祉の専門知識と情報が求められていることを伺わせた。

(李泰鎬)

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