初沢亜利写真展「東北-東京-北朝鮮」、東京・銀座で盛況
2012年10月31日 13:11 文化“朝鮮の本当の姿 知らせたい”
初沢亜利写真展 Modernism 2011-2012 東北―東京―北朝鮮が10月4日~30日まで、東京・銀座の東京画廊BTAPで開催された。
同写真展には、フリー写真家の初沢亜利さんによって撮影された震災直後の東北地方、2010~2012年8月の朝鮮、そして、東京のさまざまなスナップ写真約80枚が展示された。開催期間、約700人が訪れた。
サブタイトルにある「朝鮮、東北、東京」。震災以降、「がんばろう日本」などのキャッチフレーズが繰り返し唱えられ、震災ナショナリズムが高揚する中、マスメディアの報道とはまったく違う現状が東北地方にあった。
また、連日報道される根拠のない反北バッシングからみる日本の報道のあり方から、「東京」と「北朝鮮」の共通性、ナショナリズムの再考の必要性を改めて感じた初沢さんは、同写真展の開催に踏み出した。
展示された写真はすべてほぼ同じ大きさで、地域で区切ることなく無造作に並べられた。3地域それぞれの環境や現状は異なるが、人々の生活の営みは変わらない。そうした人々のありのままの日常が映し出されており、一見どの地域の写真なのか判別しにくい作品もあるところが見所の一つだという。
初沢さんは、「日朝国交正常化は歴史の必然であり、日本人としての使命でもあると思っている。日本の朝鮮に対する報道が偏っている中、今後も朝鮮の本当の姿を、写真を通じて伝えていきたいと思う」と話した。
初沢さんと親交がある自動車雑誌「カーグラフィック」の副編集長を務める中村明弘さんは、「どの国にいても変わらない人々の生活がしっかりと表れている。人それぞれの柔らかい表情がうまく引き出されているところなどが初沢さんらしい」と話した。
東日本大震災が起きた直後の3月12日に被災地へと向い、今日まで計18回訪れながら、その現状をレンズに収めた。今年の4月、写真集「True Feelings」(三栄書房)を出版した。また、2010年に初訪朝、4回に渡り朝鮮を訪れた。その写真集「隣人 38度線の北」(徳間書店)も近日発売される予定だ。
(尹梨奈)