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〈ピョンヤン探訪①〉綾羅人民遊園地、夜空にとどろく歓声

2012年10月17日 16:25 共和国

老若男女が集う「ホットスポット」

【平壌発=周未來】平壌に新たな夜遊びスポットが登場した。大同江に浮かぶ綾羅島に新設された遊園地だ。綾羅人民遊園地は、夕方6時から夜12時までの夜間営業。市民らと共に夜の平壌を楽しんだ。

 「程よいスリル」

「今年7月の開業以来、連日1万~1万5千人が集う盛況ぶりだ」

アトラクションを楽しむ市民たち

遊園地の案内係を務めるチョン・ミョンオクさん(28)によると、現在は入場制限が敷かれ、事前の予約が必要だという。リピーターも多い。

遊園地は遊歩道を挟んで第1、2区域に分かれてる。人気の理由は「両区域合わせて13あるアトラクション。絶叫マシーンの程よいスリル」とチョンさん。

この日も、大勢の市民たちが開園前から入場ゲートに長蛇の列をなしていた。

秋の日が落ちて辺りが暗くなる7時前後には、園内が鮮やかにライトアップされる。アトラクションやレストランにネオンがともり、アップテンポのBGMが鳴り響く。一気に広がる幻想的な空間が、訪れる人々の心をいっそう躍らせる。

チマ・チョゴリ姿で訪れたあるハルモニは、絶叫マシーンを乗り終えると同時にチマを豪快に巻くり上げ、周囲の子どもたちと一緒に次の乗り場へ向かって走っていった。

絶叫する乗客を見るのも楽しみの一つ

園内には休暇を楽しむた軍人たちの姿もある。日頃は寡黙な彼らも、ひとたびアトラクションに乗ればたちまち無邪気な叫び声をあげる。順番待ちの市民らは、そんな姿を見て爆笑する。人気のアトラクションでは待ち時間が最長で1時間30分ほどだというが「待ち時間に乗客の笑ったり、叫んだりする姿を見るのも楽しみの一つ」になっているそうだ。

平壌の遊園地では、乗り物の「相乗り」は当たり前。「電気自動車」のアトラクションを体験しようと座席に座ると、隣に先ほどのハルモニが乗り込んできた。

今年76歳になるというハルモニは、朝鮮戦争時の元兵士。この日、牡丹峰で行われた「戦争老兵慰労行事」に参加し、その足で遊園地を訪れたという。「電気自動車」に乗車中は、仲間の老兵たちと子どものようにはしゃいでいたハルモニ。「初めて来たけど、ここにいると気持ちが若返る。いまは、本当に毎日が楽しい」と目を細めた。

人々の一体感

午後10時を回ると、赤いスカーフを巻いた少年団の子どもたちがいっせいに帰路についた。

ライトアップされた園内

チョンさんいわく、綾羅人民遊園地の特徴は「子どもたちだけの遊び場ではない」ことだそうだ。「来園者の大半は大人たち。とりわけ20代、30代が中心。乗り物はペアシートが多いから、デートに利用する若者が多い」と笑う。

第1地区の中心に位置する空中ブランコは、真っ赤に彩られたネオンが印象的な人気アトラクションだ。2人乗りの座椅子は、最高で地上約22メートルまで引きあがる。「椅子が頂点に達すると、地上から乗客の様子を伺うことは出来なくなるので、恋人たちが秘密の会話をするのにお勧め」とチョンさん。

「もちろん家族と乗っても楽しい。幼児を抱っこして乗れるアトラクションもある」と付け加える。

チョンさんも1児の母。仕事は毎晩深夜におよぶ。「決して楽な仕事ではない」というが、週末ごとに夫が1歳になる子どもを連れて遊園地に遊びに来るのが楽しみだという。

「市民らと一緒に、ここで家族の時間を過ごしている」

乗客たちの笑顔がはじける「電気自動車」

苦しい時代もあったけど、みんなで乗り越えてきた。生活のゆとりも感じ始めている。遊園地には、そんな人々の一体感がある。

記者も列に並んでいた若い兵士と「回転飛行機」のアトラクションに相乗りした。29歳の彼、聞けばこの遊園地の建設に直接携わったという。

「綾羅人民遊園地は、人々の生活をより豊かにするための施設だ。建設作業をつらいと思ったことは一度もなかった。完成してみると、自分のつくったものだけに思い入れがあり、どのアトラクションに乗っても楽しい」

アトラクションが動き出すと「もし乗っている最中に怖くなったら、僕の手を―」と微笑む。

記者の手をぎゅっと握った若い兵士の頼もしさに、祖国の明日を思い浮かべた。

(朝鮮新報)

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