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「清津会」メンバー、朝鮮各地の埋葬地訪問

2012年09月06日 16:30 共和国

政府間交渉の進展に期待

【平壌発=金志永】第2次世界大戦の終戦を前後した時期、朝鮮で死亡した日本人の遺骨収集や墓参を目指す「全国清津会」のメンバー4人が8月28日から9月6日まで訪朝した。滞在期間、朝鮮側の案内で各地の日本人埋葬地を訪れた。

昨年来、朝鮮国内では社会科学院・歴史研究所が中心となり日本人遺骨の発掘、調査が行われている。今回、「清津会」のメンバーは日本人墓地や捕虜収容所があった平壌市内の竜山、大院里(旧・三合里)や咸鏡南道の咸興市、定平郡・富坪、咸鏡北道の富寧郡・古茂山を訪れ、遺骨の埋葬状況を調査した。

発掘された日本人遺骨の前で宮本円明住職が読経した(咸鏡北道富寧郡古茂山で、写真:金志永記者)

戦後、日本軍捕虜の収容所があった古茂山ではトウモロコシ畑の一角から日本人の遺骨を掘り出した。「清津会」のメンバーが水とパンなどを供え、同行した宮本円明住職が読経した。

「清津会」の正木貞夫事務局長は、「私たちは50年間、この機会を待っていた。涙がこぼれそうになった」と語り、「朝鮮の関係各位の格別の配慮に感謝する」と述べた。

「清津会」は、咸鏡北道の清津市や周辺からの引揚者らでつくる民間団体。今回の訪朝メンバーは帰国後、今回の調査結果にもとづく報告会を行う予定。

日本政府は、2006年から制裁措置の一環として朝鮮への渡航自粛を国民に要請してきた。今回は、訪朝計画を立てた「清津会」メンバーが日本を出発する直前に許可を出した。

「清津会」の訪朝と時を同じくして、中国・北京では日本人遺骨問題に関する朝・日政府間協議(8月29-31日)が行われた。日本人遺骨問題について朝鮮側は、「第2次大戦の時期、朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還のための実務処理問題であり、人道問題」(8月16日発朝鮮中央通信)との立場を示している。

高麗ホテルにて行われた「清津会」メンバーらによる記者会見の模様(写真:文光善記者)

平壌で記者会見

「清津会」メンバーは平壌出発前日の5日、高麗ホテルで記者会見を行った。

正木貞夫事務局長は、古茂山のトウモロコシ畑で遺骨を掘り出した際のエピソードに触れ、「(日本敗戦後の状況を知る現地住民の)おばあさんが当時のことを詳しく話してくれた。そして、なぜ60年も放置しておいたのか、早く持って帰れと話した。その通りだと思う。厳しい言葉だが、やさしい心遣いを感じた」と述べた。

そして、「日本での朝鮮に対する認識とはずいぶん違い、人々は親切で礼儀正しく、活気のある国だと感じた。今後、(「清津会」の)会員が引き続き墓参、遺骨収容をできることを願う。他のいろいろな問題も対話によって解決できると、こちらに来て思った」と述べ、遺骨問題をめぐる朝・日政府間交渉の進展への期待を表明した。

一方、宮本円明住職は「日本にある資料の通りに現地で遺骨が出てくる。状況をこのままにしておいてはいけない」と述べ、問題の早期解決を訴えた。

会見で宮元住職が明らかにしたところによると、拉致被害者家族の横田滋さんは、東日本大震災と関連して朝鮮が赤十字団体を通じて「お見舞いと励まし」を寄せたことに対する「お礼」を訪朝団メンバーを通じて朝鮮の関係者に伝えたという。

(朝鮮新報)

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