〈私たちのうた〉アリさん、あくしゅしよ/朴古京
2012年07月16日 16:19 文化・歴史アリさん
きみは ほんとうに よく はたらくね
米つぶ、ごはんつぶ さがして 一日中
せかせか 走り回って 休まない きみは
ぼくの 父さんと いっしょだね
アリさん
きみは ほんとうに やせほそっているね
あつめた 食べものは だれに とられたの
くびれた こしで はたらく きみの すがたは
つれて行かれた 父さんと いっしょだね
アリさん
きみは ほんとうに かしこいね
いい場所に きみの すみ家 作ってあげるから
あつめた 食べもの みんなで 食べなよ
さあ、 アリさん あくしゅしょ
パク・コギョン(?~1937)
1920年代後半から「新少年」や「中外日報」で作品を発表し、1936年「朝鮮中央日報」新春文芸で童話「がっちょう」が当選し登壇する。
貧困と搾取で苦しむ父親の姿をアリと重ねては、朝鮮の貧しい農民たちに対する同情の意を「握手しよう」という言葉で切なく表した。1930年代プロレタリア児童文学作品である。
(選訳・金真美)