ウリナラキッパルのマイバッグ-素敵な出会い
2012年07月28日 15:13 文化・歴史今から7年前の2005年5月、あれは総聯結成50周年記念大トンポ野遊会の前日。居住する町で買い物中、娘が鞄屋のウインドウを「ウリナラキッパル(わが国の国旗)…?」と、指さす先に総聯結成20周年(1975)記念切手が真ん中についた白い透明のビニールバッグが飾ってあった。信じられない! 直ぐにお店に入りバッグを手に取った。切手収集家の切手を買い取ったメーカーが、斬新にデザインしたものだそうだ。
「総聯結成20周年」、鮮明な記憶が蘇る。
当時、総聯中央李季白副議長を団長とした祝賀団の一員として祖国に向かう今亡き外祖父(ウェハラボジ)を家族総出で成田空港に見送りに行った光景。高校生だった私、祖国を訪問するハラボジがとても羨ましかったことなどが次々と思い起こされた。
北バッシングの続く真只中、朝鮮会館に朝鮮国旗がなびく図柄の20周年記念切手を真ん中に、色んな切手が無造作に散りばめられている。
二つと同じものはないだろう…。 その偶然と不思議さに驚くばかり。
そんなことを店員に話しながら、値段を聞くと何と高価! 2万円近い。ビニールなのに…
とても買えずに諦めて帰宅した。
翌日、野遊会で売店をしながらも後ろ髪を引かれっぱなし。結局悩んだ末、買うことを決心し店に電話を掛けた。そこでまたビックリ!まさか…売れてしまったのだ。
私は店員さんに「日本人が買ったのですか!?」などと尋ね、「そのバッグを持って、石投げられないかな~」とまで呟いてしまった。
そんなことないですよ~と、店員さんに笑われてしまったが。
残念だが、諦めるしかなかった。
それから1週間ほど経ったある日、お店の店員さんから電話が掛って来た。
「社長に話したら、あのバッグは李さんに持って頂いたほうが幸せだからと、買主さんにお断りして戻してもらたので、どうぞ」と。再びビックリ。
胸がいっぱいになった。
切手を1枚1枚見ていたら、何とウリナラの切手が5枚もあった。
最も驚かされたのは、バッグの左下に見た「一握りの穀物粉」(한홉의 미시가루」の切手。手にしたバッグに貼られた、この切手たちの辿った経路に想像を膨らませたりした。…やっぱりこれは、朝鮮人が持って初めて意味をもつバッグだったのだ。素敵な出会いに感謝している。
(李順姫)