一大反響、牡丹峰楽団のテスト公演
2012年07月19日 14:58 共和国「テレビ画面に釘付け」
【平壌発=李相英】「今まで見たことのないフレッシュで洗練された公演」「形式と内容も新鮮」…。
金正恩第1委員長を迎え6日に行われた牡丹峰楽団のテスト公演が11日、朝鮮中央テレビで放映され、国内で大きな反響を呼んだ。人々はさまざまに感想を述べながら、既成の枠と慣例にとらわれない斬新な内容に感嘆したと興奮冷めやらぬ口調で語っていた。
平壌市内に暮らす20代女性は、「電子楽器を駆使した軽音楽団は過去にもあったが、女性だけで構成されたのが新しかった」と述べた。近年、注目度が高い銀河水管弦楽団の公演もすばらしいが、牡丹峰楽団はより大衆的で「若い世代の感覚に合う」と話しながら、「演奏水準が高く出演者らが感情を全身で表現していて、みんなが楽しく演奏している姿が印象的だった」と笑顔を見せた。
公演で演奏された、ディズニー映画を始めとした海外の曲目にも注目が集まった。60代の在日同胞男性は「選曲がよく、世界的に名を馳せた曲を朝鮮式にアレンジし演奏したことに共感した」と述べた。海外楽曲の演奏は、金正恩第1委員長が指摘した、他国のものもよいものは大胆に受け入れてわれわれのものにつくるべき、という立場が反映された一つの実例だと言える。
テスト公演がこの日放送されることは、事前に知れ渡っていた。10日夜に、朝鮮中央テレビが翌日の予定プログラムを放送。テスト公演に対する人々の期待は高く、いつもなら人々の往来が途切れることのない平壌大劇場周辺でさえ、放送時間中には人影が消えたほどだ。
教育機関で働く40代男性は「この日は早く帰宅し、テレビ画面に釘付けになった。聞くと、職場の同僚たちもほとんどがそうだった」と興奮した様子で、「言葉でどう表現していいかわからないが、とにかく衝撃的。今後、朝鮮の音楽がより豊かに発展していくんだという印象を受けた」と話した。
音大生にも驚き
朝鮮中央通信は16日、10余人の女性演奏家たちのリズミカルで迫力のある演奏、若手歌手たちのセンスが良くユニークな歌、そして舞台照明の効果によって視覚的にもドラマチックな楽団のテスト公演は、人々の記憶の中に余韻を残したとしながら、テレビ放送に接した音大生たちの感想を伝えた。
金元均名称平壌音楽大学で学ぶチョ・スジョンさん(女性、19)は、テレビ画面に何度も映し出された牡丹峰楽団のソヌ・ヒャンヒ楽長(バイオリン奏者)の演奏がとても印象的だったとしながら、感情が豊かでデリケートな彼女のバイオリンの音がいまだに耳から離れないと話した。
男子学生のチョン・グッジンさん(23)は、朝鮮人民が愛唱している歌謡と世界の名曲が原曲のよさを生かしながらも、新しいセンスで編曲されていたと指摘しながら、日を追って変化する音楽芸術の、泉のように湧き出る豊かさにしびれたと感想を述べた。
報道によると、テスト公演を鑑賞した金正恩第1委員長は「戦勝節」(7月27日)に際し、公演を行うよう指示したとされる。人々の心の中にはすでに、次回の公演への期待が高まっている。
(朝鮮新報)