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〈朝鮮民族の美 28〉鳥と雲の文様の金銅透かし彫り(高句麗時代、平壌郊外真坂里1号墳出土)

2012年06月15日 13:26 歴史

これは王の権威を高めるために使われた金具であることは確かであるが、その用途はまだ確定されていない。

高さ:14cm、朝鮮歴史博物館

高温で燃え立つ太陽の炎を見事に形象化した華麗な透かし彫りの金具である。金具中央の連珠模様で囲まれた円形の部分に注目されたい。翼を広げた三本足の烏が彫り出されている。言うまでもなく、それは古代の人々が太陽の象徴と考えた金色の三本足の烏―金鵄である。

その周囲には、大きな炎の流れの中に、優雅で、かつ鋭い曲線によって、鳥や飛雲が彫り込まれている。このデザインの優雅さと、これを可能にした美的センスと技術の非凡さに驚きを禁じ得ない。

ついでに言えば、古代人にとって鳥は、天と地の間を自由に往来して、天の意志を人間に伝える神聖な存在であった。

したがって古代人は、鳥の行動に特別の注意を払ったのであるし、これから夜の闇を退け、夜明けをもたらす鶏も神聖視されたのである。

太陽に三本足の鳥がいた時代に、月には蛙がいたのであるが、時代が下るにしたがって月に住むのは兎になって行ったのは良く知られている。

高句麗壁画古墳の天井に必ず見られる太陽と月の中に描かれるシンボルに注意されたい。

(金哲央)

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