〈私たちのうた〉おうしが もぅもぅ なく おかのうえに/康勝翰
2012年01月30日 15:30 文化・歴史おうしが もぅもぅ
なく おかのうえに
地を ならし 新しく たてた
かわらやねの 家はね
よくはたらき しあわせに くらしている
ぼくの 家なんだ
ひるま コケコッコーと
にわとり なく にわに
いなむらが どっさり
つまれたのはね
アッパ、オンマが 田を たがやした
ほこらしい あかしなのさ
オッパも ヌナも
みんな あつまって
夜には あかりのもとで
たねを えらびわけながらね
「とちかいかく」の はなしで
にぎわうのさ
(朝鮮児童文学文庫 15.1966)
*土地改革:1946年3月5日朝鮮初の民主改革で農民に土地が無償分配された。
丘の上から瓦屋根の家へと、いなむらが高く積まれた庭から電灯の下へと、そして小さな穀物の種にまで焦点を集めるという遠近法を使い、解放直後すべての幸せの「種」は土地改革にあったのだということを、ある農民家庭の姿を通して描いた。
カン・スンハン(1918~1950.10.17)
朝鮮文学芸術総同盟黄海道委員長をまかされ、土地改革の喜びを多くうたった。朝鮮戦争の時、九月山で捕まり監獄で死亡。1957年遺去詩集「漢拏山」。