〈朝鮮民族の美 2〉青華白磁 梅鳥竹紋壺
2011年06月10日 09:27 歴史白磁の器の用途は多様である。まず祭祀や宴会などの禮式に使われる器は、形が端正で純白磁が多く、宮中で宴会に使われる酒器や花器として使われる場合は、藍色の釉薬を使った青華(日本では染付という)や砂鉄の顔料を使い、雲竜や鳳凰、山水などが描かれた。
容器として使われる壺や甕は、さらに多様で雑穀、酒、塩、塩辛、みそ、水などを入れるのである。またヤンニョム(양념)を入れる小瓶セットや、女性の化粧用具としておしろい壺(분항아리)も作られた。そして、入れる物によって、次第に器の形が決まっていくのである。
ここに示す「青華白磁 梅鳥竹紋壺」は、何に使われたのであろうか。
まだ青華の釉薬が中国から輸入され貴重であった16世紀に、梅の枝を器全面にのびのびと描き、鳥も大き目に、そして梅の木の間には小竹の株も描いている。
絵も専門の画家によるものと思われ、同時代の有名な画家である李厳の画を連想する人もいる。
肩の部分を張り、下に降りながら窄まった曲線は、底辺にきて再び拡がっている安定した堂々たる傑作である。出来の良さから、作られてすぐ士大夫の家の書棚の上に、花器として納まったと思われる。
(金哲央・元朝鮮大学校教授)