〈朝鮮と日本の詩人 93〉井上光晴
2009年06月01日 00:00 文化・歴史「昨夜も黒人兵が射殺された」
血痕(ちのり)のあとはまだ消えない
昨夜も黒人兵が射殺された
ふつ、ふつ、ふつ、ふつ
ふつ、ふつ、ふつ、ふつ
コンクリートの声をあげて
彼はたえまなく打っているが
汽笛ひとつ鳴らさずに
この港からは毎日
二隻ずつ輸送船がコ―リアにむけて
出て行く
血痕(ちのり)のあとはまだ消えない
昨夜も黒人兵が射殺された
ふつ、ふつ、ふつ、ふつ
ふつ、ふつ、ふつ、ふつ
コンクリートの声をあげて
彼はたえまなく打っているが
汽笛ひとつ鳴らさずに
この港からは毎日
二隻ずつ輸送船がコ―リアにむけて
出て行く