〈朝鮮と日本の詩人 90〉中村稔
2009年05月11日 00:00 文化・歴史高麗青磁の神秘な青さ
薄命の海をながれる藍よりも
さらに淡い器物の青に
ひたすらに一日の憂悶を鎖す。
わが祖父たちの奪ったもの、
わが兄弟たちの掠めたもの、
ついに奪いえず、掠めえなかったもの。
自らを恃んで傲らぬもの、
謙抑にして自らを卑しめぬもの、
故宮の城壁を画る空よりも
さらにはるかなるもの
薄命の海をながれる藍よりも
さらに淡い器物の青に
ひたすらに一日の憂悶を鎖す。
わが祖父たちの奪ったもの、
わが兄弟たちの掠めたもの、
ついに奪いえず、掠めえなかったもの。
自らを恃んで傲らぬもの、
謙抑にして自らを卑しめぬもの、
故宮の城壁を画る空よりも
さらにはるかなるもの