〈朝鮮と日本の詩人 74〉井之川巨
2008年12月08日 00:00 文化・歴史美しい叙情的抵抗詩
舞い、舞う
朝鮮の少女たちは
回転する五月の花壇だ。
ひとりの少女は
銃殺された農夫を舞い、
ひとりの少女は
たたずみ悲しむ妻を舞い、
ひとりの少女は
廃墟をさまよう子供を舞い、
ひとりの少女は
つかれはてた老婆のしぐさを舞った。
-そして、やがて
白頭山にコップニがうまれ、
やがて
ジュニアはくすんだ火縄銃をみがき、
北緯三八度より北方に
朝鮮人民は解放の銃声をはなった。
ああ、おれは共に
麗水の銃をもたなかったことを惜しむ。
かつて日帝におかされ
いままた米帝にふみつけられ
抵抗いがいの血をもたぬ朝鮮の少女たち。
おれは彼女たちを見るのがすきだ。
おれは真黒いひとみと
とき色にひやけした彼女たちを見るのがすきだ。
舞い、舞う
朝鮮の少女たちは
回転する五月の花壇だ。