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〈遺骨は叫ぶ 13〉北海道・夕張炭鉱・一日19時間働かせ、水も飲まさず

2008年04月21日 00:00 歴史

山の上に「監獄部屋」「タコ部屋」

夕張市に残る炭鉱の残骸

夕張市に残る炭鉱の残骸

財政破綻で揺れている北海道・夕張市本町から南に下ると末広地区で、昔は古い炭住が並んでいた。その西側の山の斜面に、末広共同墓地が広がっている。だがこの墓地には、太い木がほとんどない。戦時中に北炭(北海道炭鉱鉄道会社)が、坑道を支える坑木として伐採したからだ。

北炭は、坑木を伐る山林をたくさん持っていたが、遠隔地から輸送する手間を惜しみ「墓地の木を伐れば罰が当たる」という、「ヤマの人たちの声を足蹴にして伐ったからだ」(「地底の葬列」)と言う。この末広共同墓地に、過酷な労働や、逃亡者に対する激しいリンチなどで死んだ仲間の霊を慰めるため、夕張鉱寄宿舎朝鮮人有志一同が建立した「神霊の墓」がある。

異国の土となった人たちが、祖国、朝鮮をはるかに眺めるかのように西向きに建っている。

1930年5月の建立というから、古いが北炭・夕張にはこれほど早くから朝鮮人たちが来ていた。

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