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〈関東大震災下の朝鮮人虐殺問題 1〉恐るべき国家犯罪、民族犯罪

2008年04月02日 15:12 歴史

はじめに(上)

日本の近代史と現代史の分岐をなすのは、1923年9月1日の関東大震災であるとは定説化された見方である。私は、侵略と殺戮にまみれた日本現代史は関東大震災時の朝鮮人虐殺に始まると考えている。

関東大震災は日本の歴史上の大地震に較べても被害の甚大さは特出しているので、体験記や目撃記、伝聞記録の多さは他の地震記録の追随を許さないものがある。しかしながら、関東大震災は被害の大きさだけが特出しているだけでなく、人為的な殺人、少数の日本人社会主義者や中国人(朝鮮人と間違われ)に対する虐殺と、殊に朝鮮人に対する大虐殺という事実を含んでいるということで、それまでの大地震災害と峻別されるものである。この時の朝鮮人虐殺は一般日本人の対朝鮮認識だけでなく、対アジア民族認識に決定的と云える影響を与え、アジア侵略戦争時の大量虐殺につながってゆく。そして、本年は関東大震災から85年を経た年であるのだが、わが民族、そして在日朝鮮同胞にとって悲痛を極めたこの虐殺事件は現在も未解決の事件として残されたままである。関東大震災時下の朝鮮人虐殺事件の本質と問題点は何であるのか。本稿で私はこの問題の本質的解明と、問題点を具体的に考えてみたいと思っている。

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