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〈同胞美術案内 3〉表世鐘/重みある幼児の存在に焦点あてる

2007年07月04日 00:00 文化

誇らしげに綴った「朝鮮」の文字

「来年は僕たちの学校へ」1958年 162x130(センチ)朝鮮民主主義人民共和国 美術博物館

「来年は僕たちの学校へ」1958年 162×130(センチ)朝鮮民主主義人民共和国 美術博物館

どこからともなく集まってきた3人の男の子が描かれている。中央の男の子は、力強く背伸びをし、振り上げた右手で壁に文字を書いている。画面左下の男の子はこちらを向いて座り、左手に視線を投げかける。画面右下に描かれた、大きな下駄を履いた男の子は、柔らかな髪を揺らせながら、ほかの2人と同様に何かを熱心に書いている。わき目も振らずにチョークを走らせる男の子たち。

この画家は、この狭いどこかしらを通り抜けようとした時、ふと、3人の男の子を見つけ、足を止めたのだろうか。作品を見る人は、いつしかこの空間に入り込み、中央の男の子の、いままさに書き終えた「繕識(朝鮮)」の文字を、画家と一緒に見上げることとなる。

「来年は僕たちの学校へ」。本作品をつぶさに鑑賞してみよう。

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