〈人物で見る朝鮮科学史 32〉高麗の科学文化(5)
2007年06月16日 00:00 歴史世界でもっとも美しい高麗青磁
東京・南青山は都心の一等地として知られているが、その一角に有名な根津美術館がある。根津美術館は東洋古美術品を幅広く所蔵しているが、なかでも「青磁蓮唐草文浄瓶」は高麗青磁の逸品として知られている。高麗青磁は翡色あるいは秘色といわれるほど美しい緑色が特徴的な磁器であるが、この浄瓶はその代表といえるもので重要文化財にも指定されている。
磁器の原料となる粘土には石英や長石が含まれ、陶器の焼成よりも難しい。磁器を英語で「チャイナ」というが、それは700年頃に中国で初めて焼成されたからにほかならない。