〈同胞美術案内 1〉白玲/ベトナム戦争描いた朝鮮の母子像も
2007年04月27日 00:00 文化帰国事業をテーマに描く
青空を背景に女性とその子どもと思われる小さな女の子が描かれている。母も子もこちら側を向き、なにかの記念にと、写真を撮ったようだ。
描かれた2人はまっすぐに立ち、画面左から、母、子、そして画面右下の茶の小包へと流れる斜線が作品にゆったりとしたリズムを与える。青空には霧のような雲がうっすらとかかり、その白が母親の上着、女の子の服と呼応し、画面から明るさが放たれる。女の子が握るピンクの野花、履いた赤い靴が、作品のアクセントとなっている。いくぶん単純化され、現実の人間とはすこし距離を感じさせる人物描写だが、親近感がわくのはなぜだろう。