〈人物で見る朝鮮科学史 27〉道詵と風水地理
2007年03月17日 00:00 歴史民族性と迷信的なものが混在
物質を、それ以上分割できない粒子から構成されていると考え、それをアトム(原子)と呼んだのは古代ギリシャの哲学者デモクリトスである。その約2000年後、イギリスの化学者ドルトンも元素を構成する粒子を原子と呼んだ。粒子であるから、そこに位置と運動量を付与することができ近代科学としての力学が発展した。
これに対して、東洋では物質の根元を捉えどころのない「気」であると考え、思弁的な自然現象の説明に終始した。その典型が気を陰と陽に分け、さらに木、火、土、金、水の性質を持って森羅万象をなすとした陰陽五行説である。それは西洋近代科学が導入されるまで自然に関する哲学として機能したが、この気による自然理解は現代でもしばしば話題となる。風水である。