〈朝鮮と日本の詩人 16〉北川冬彦
2006年08月18日 00:00 文化・歴史北鮮側は
黄色な稲田で飾られているが
南鮮側は
茫々(ぼうぼう)と立ち枯れた雑草原だ
この非武装地帯には
兎 狸 ノロなどが
無数に巣喰っているそうだ
宮城のお堀に
鴨がのんびり浮いているのと同じである
北と南
鳥どもは
自由に 飛び往き飛び来っているのに
人間は ぴったり足止めをくらっている
ここから
日本は近いのに わたしは
遠く
中国も 南へ
大迂回して帰らねばならなかった