〈月間メディア批評〉歴史をねつ造したのは安倍氏らではないか
2005年01月22日 00:00 朝鮮半島拉致事件被害者の家族が全国各地で講演活動を行っているが、公共放送のNHKは常に全国ニュースの中で取り上げる。1月になってからも、香川県の小豆島で被害者家族が「朝鮮のようなあんなひどい国に住んでいると思うとつらい」などと講演したと伝え、県立小豆島高校の新聞部の生徒が感銘を受けたと報じた。また、早稲田大学での講演では中国人留学生の「真実を伝えなければならない」というコメントを流した。
被害者家族が一日も早い救出を訴え、朝鮮を批判する感情は十分理解できるが、公共放送として、一方の当事者の声だけを伝えるのはフェアではないと思う。民放各局も「北朝鮮は崩壊寸前」などと叫んでいる。国連に加盟している国を、連日、悪の帝国のように中傷しているのは極めて非正常だ。
被害者の家族たちも、当初、植民地支配の犠牲になった在日朝鮮人に共感を示すような発言もしていた。ところが、被害者家族は「新しい歴史教科書をつくる会」など極右団体の集会に参加し、拉致問題を政治的に利用しようとした歴史修正主義者や自民党の極右勢力に囲い込まれてしまった。