〈高麗人参余話 63〉連載を終えて
2004年12月24日 00:00 文化・歴史昨年の4月から始まり1年9カ月の比較的長い連載になった「高麗人蔘余話」も今回が最終回となった。
私は3年前、福島県会津磐梯山の麓に広がる朝鮮人蔘畑を見たとき、この山奥にも朝鮮半島と日本の長い文化の交流があってこの地で朝鮮人蔘が栽培されていたという事実にとても感動した。それからは会津に行くたび人蔘畑に赴き、写真を撮りながら畑の様子を見て歩いた。田圃の中に広がる人蔘畑の黒いテント(寒冷紗)、その中の不思議な明るさ、掌を広げたような五枚の人蔘の葉、おもしろいことに1年に一枚ずつ増えて行く複葉。人蔘は春先に芽を出し、6月頃には花を咲かせ青い実を付け、7月頃には赤く熟し、9月の終わりから10月にかけて枯れてしまう。一方、人蔘の根は4年から6年にかけて土の中で大きくなりながら成長する。その様子を楽しく観察した。