〈みんなの健康Q&A〉慢性肝炎(上):新しい治療法
2004年11月26日 00:00 文化・歴史Q:慢性肝炎とはどんな病気でしょうか?
A:慢性肝炎とは、持続する炎症のため肝細胞がこわれ続け、他方では細胞が壊れた場所で新しい肝細胞が増える一方、傷のすき間をうめるように線維化がすすむため、本来の肝組織の骨組みが変わり、やがては肝細胞が減ったあげく肝臓全体が硬くなり、肝硬変を呈する病気です。原因は肝炎ウイルスの感染や患者さん自身の免疫の異常、薬剤の長期間の使用などがあげられます。ここでは、最も身近な、肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎について記すことにします。同胞諸兄姉の多くは、肝炎持ちのいかんに関わらず、C型肝炎、B型肝炎という病名をお耳にしたことがあると思います。これらの肝炎は何れもC型やB型肝炎ウイルスの感染のため肝炎が発病し、15~30年をかけて、慢性肝疾患の終着駅といえる肝硬変にたどり着くことが知られています。図1にC型慢性肝炎の病状の経過を示します。肝炎が進むに従いに肝癌の発生率が上昇し、硬変になれば年7~8%の発癌率となります。軽度の肝炎から次第に重症化し肝硬変に進む点はB型肝炎も同様で、発癌率はC型の2分の1ほどであることが知られています。