〈朝鮮歴史民俗の旅〉時調(2)
2004年06月12日 00:00 歴史美意識と感性の違いが日本と朝鮮にあると言った。時調に限らず朝鮮人は理詰めで迫る。形よりも中身を重んじ、中身は濃厚であるほどよしとする。
これに対して日本人は、中身も大事だが、まず形にこだわり、その形に見合った中身を選んで入れようとする。能も茶の湯も、武道の世界でさえ様式美にこだわる。そのため時調は、日本人の感覚では風情のない理屈のかたまりのように感じられるのであろうし、逆に朝鮮人にとって俳句は内容のない空虚な語呂合わせに過ぎないと感じられるのかもしれない。