〈朝鮮名峰への旅 1〉春霞の中から柔らかな光、白頭山が染まっていく
2004年04月16日 00:00 文化・歴史初めて白頭山を訪れたのは、91年5月下旬のことであった。
飛行機が三池淵の飛行場に近づくと、機内からざわめきが起こった。前方に真白な白頭山が、他の山々を従えるように、まばゆいばかりに輝いていた。山岳カメラマンとして世界中、どこの山へも行けるようになったが、国交がないため、白頭山だけは唯一行くことのできない秘境として残っていた。見ることのできない憧れの山がいま、目の前に圧倒的な存在感で聳えていた。