〈語り継ごう、20世紀の物語〉申玉順さん(78)
2000年01月31日 15:06 暮らし・活動玄界灘の船上で消えた小さな命,悲しみは癒えず
通称・三河島朝鮮マーケット。上野、浅草と並ぶ東京・下町に住む同胞たちの台所である。
中でも創業50年になろうかという、東京の総合朝鮮食品販売店の第1号店、「三河島・マルマンのオモニ」と言えばこの界隈で知らない同胞はいない。女性同盟荒川支部西日暮里分会顧問の申玉順(78)さんが、その人。「テジョン(大正)11年。済州道の西帰浦で生まれたのよ」と語る流ちょうな「チェジュマル(済州道の方言)」からは、在日1世が歩んだ歴史の一端を垣間見ることができる。