〈男子サッカー〉延長戦の末、イラクに1-0で勝利

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2日の決勝戦は「北南対決」

(写真:盧琴順)
(写真:盧琴順)

【仁川発=李永徳】朝鮮サッカーの未来を担う若き選手たち(主に23歳以下)がアジアの頂点にあと一歩のところまで辿りついている。

29日に女子が南朝鮮に勝利し決勝戦に進出したのに続き、30日には男子がアジアの強豪、イラクに延長戦の末に1-0で勝利し決勝戦への切符を勝ち取った(写真:盧琴順)。金メダルをかけて女子は10月1日20時から日本と、男子は10月2日20時から南朝鮮との試合に臨む。

朝鮮男子がアジア大会の決勝に進出したのは1990年大会以来24年ぶり。当時はイランに敗れて銀メダルに終わっている。優勝経験は1978年大会での1回のみとなっている。

(사진 로금순기자)
(写真:盧琴順)

精神力が勝負を左右

試合開始2分でDFカン・グッチョル選手が負傷交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われたが気迫のこもった朝鮮イレブンはイラクと対等以上に渡り合って前半を終える。

後半もともに主導権を握ろうと激しいプレッシングと肉弾戦を繰り広げるがゴールが遠い。球際で激しく当たるうちに両チームともイエローカードが多くなり試合はヒートアップしていった。

後半24分にはFWパク・クァンリョン選手が自ら得たフリーキックでゴール左隅を狙うがボールはバーに直撃。同41分、またもやゴール中央で得たFKをパク・クァンリョン選手が枠に飛ばすものの相手GKのナイスセーブに阻まれた。交代枠を使いきり総力戦で勝利をもぎとろうとしたが後半もスコアは動かなかった。

朝鮮は前後半15分ずつの延長戦に向けてチーム全員が円陣を組んで再度気合を注入した。

延長前半6分、ペナルティーエリア外側中央の絶好の位置でフリーキックを得る。キッカーは今大会5試合5得点とブレイクし、準々決勝のUAE戦でロスタイムに決勝点を決めたMFチョン・イルグァン選手。

左足を一閃。壁の外側を巻く鮮やかなフリーキックでゴールネットを揺らした。喜びを爆発させ疾走するチョン・イルグァン選手にチームメイトたちが駆け寄っていき固く抱き合った。

その後、得点をあげたチョン・イルグァン選手が遅延行為による2枚目のイエローカードで退場になり残り時間を10人でたたかったが、朝鮮選手団や「南北合同応援団」の「声援が力になって最後まで走りきることができた」(李栄直選手)。

試合終了のホイッスルとともにベンチにいた朝鮮の選手やコーチらもグラウンド内に駆けていきチーム全員で再度喜びを爆発させた。会場に駆けつけた多くの南の市民たちが死力を尽くして勝利を収めた朝鮮チームに大きな歓声と拍手を送り、朝鮮の選手たちもグラウンドを一周してその声援に応えていた。

(사진 로금순기자)
(写真:盧琴順)

「決勝も負ける気はしない」

在日同胞のMF李栄直選手はこの日も豊富な運動量と球際の強さ、積極的な攻撃参加で攻守で輝きを放ち、チームの中心選手といっても過言ではない活躍を見せた。

李選手は試合後「やっとここまでこれた。勝てて本当に良かった」と安堵の表情を浮かべながら「日に日にチームからの信頼感を感じているし、自分の体がすごくキレていることに驚いている。今のチームは誰が出ても遜色ないレベルのプレーができる。(強豪、南朝鮮との試合でも)負ける気はしない。優勝するために万全のコンディションを整えていきたい」と語った。

GKリ・ミョングク選手は、男子チームが仁川アジア大会に参加するにあたり金正恩第1書記が壮行試合を指導してくれたことに触れながら、その時の喜びを胸に刻み勝利という結果で期待に応えようと試合に臨んだと語った。そして「勝利の要因は精神力。それが全ての勝負を左右する」と誇らしげに語り、「祖国と全ての人民たちに喜びを与えられるように決勝戦に臨みたい」と力を込めた。

FWパク・クァンリョン選手は「チーム一丸となって勝利できてよかった。すごく嬉しい」と喜びを噛み締めながらも、「これが終わりではない。喜ぶのは今日までにして切り替えたい。最後の試合まで全力を尽くして必ず優勝したい」と抱負を語った。

ユン・ジョンス監督は「全ての選手たちが強い精神力を発揮したからこそ勝つことができた。祖国と人民たちにいい報告をできるように、チームの一番の持ち味である精神力と体力を活かして勝利を収めたい」と語った。

(朝鮮新報)