〈サッカー〉北南和解への息吹、朝鮮男女サッカーの試合で

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「我が民族同士」「祖国統一」の叫び

スタジアムで朝鮮選手たちに声援を送る「南北合同応援団」(28日の男子サッカー準々決勝、朝鮮対UAE戦で、写真:盧琴順)
スタジアムで朝鮮選手たちに声援を送る「南北合同応援団」(28日の男子サッカー準々決勝、朝鮮対UAE戦で、写真:盧琴順)

【仁川発=李永徳】南朝鮮・仁川の地ではスポーツを通じた北南和解への息吹をしっかりと感じとることができた。26日、朝鮮男女サッカーの試合が行われた競技場には、朝鮮選手団や「南北合同応援団」をはじめとする南の市民たちが集結。陣取る観客席の位置は違えど彼らは心をひとつにして朝鮮の選手に声援を送りながら、統一への希望を胸のうちに呼び起こしていた。

統一祖国で会いましょう

朝鮮選手が出場してきた競技には必ずといっていいほど南の市民が駆けつけていた。この日も赤や白のTシャツを着た南の市民たちがスタンドを彩っていた。

「祖国統一、万歳!」「パンガッスムニダ!(お会いできて嬉しいです)」。ハーフタイムには南の市民たちが白地に水色の朝鮮半島が描かれた「統一旗」を掲げながら、朝鮮選手団に向けて湧き上がる思いを叫ぶと、重量挙げ、シンクロ、柔道などの選手たちを含む朝鮮選手団も一斉に「パンガッスムニミダー!」と声を揃えて応えた。

試合観戦後、スタジアムの出口では感動的な光景が広がっていた。

「ウーリー、ミンジョッキリ!(我が民族同士)」

選手村行きのバスに乗り込もうとする朝鮮選手団に向かって南の市民たちがと声をあげる。するとこれまで多くの競技で南の声援に力をもらってきた朝鮮選手団も「チョーグッ、トンイル!(祖国統一)」と力強く呼応。さらに南の市民たちが「ウリヌン(我らは)」と声を張り上げると朝鮮選手団は「ハナダ!(ひとつだ)」と思いっきり叫んだ。

何度心からの叫びが往来しただろうか。彼らは互いにその場から離れることを悲しむように、北と南に分かれている朝鮮半島でいつかともに手を取り合うその日を思い描きながら民謡「アリラン」を合唱した。

南の市民が集まった警察に制止されながらも「必ず統一を実現させましょう!(南に住む)私たちは全力を尽くします!」と声高に叫ぶと、朝鮮選手団は手にした朝鮮国旗を力いっぱい振りかざして歓声をあげていた。

胸を突き刺すような感激を覚えた選手たちは目にいっぱいの涙を浮かべていた。そしてバスに乗り込んでからも南の市民たちとの離別を惜しみ、その姿が見えなくなるまで手を振り続けていた。

(朝鮮新報)