〈男子サッカー〉UAEに1-0で勝利

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土壇場の決勝弾でベスト4進出

相手選手と競り合うFWパク・クァンリョン選手(19番、写真:盧琴順)
相手選手と競り合うFWパク・クァンリョン選手(19番、写真:盧琴順)

【仁川発=李永徳】28日の男子サッカー準々決勝。アラブ首長国連邦(UAE)との試合は後半ロスタイムに突入していた。電光掲示板に照らし出された時間は4分。0‐0のまま試合が延長戦に突入すると思われたその時、真っ赤に染まった観客席の一角が揺れた。MFチョン・イルグァン選手のシュートがゴールネットを揺らしスコアは1-0に。ベスト4進出を決定づけたヒーローのもとにチームメイトたちが全速力で駆け寄り、歓喜の輪ができた。ベスト16のインドネシア戦でアシストを記録し、この日もフル出場を果たした在日プロサッカー選手、李栄直選手(J1・徳島ヴォルティス所属)もユン・ジョンス監督と熱い抱擁を交わし喜びを分かち合っていた。

決勝ゴールを挙げたMFチョン・イルグァン選手(写真:盧琴順)
決勝ゴールを挙げたMFチョン・イルグァン選手(写真:盧琴順)

絶好調男が試合決める

朝鮮は前半、前線からの積極的なプレッシングでボール保持率を高めていく。そして186㎝の長身FW、パク・クァンリョン選手を中心に攻撃を組み立て、前線の選手らが相手ディフェンスラインの裏に飛び出し何度か決定機を作っていった。

李栄直選手は持ち味の球際の強さと運動量で相手の攻撃の芽を的確に摘み、中盤の底で冷静なボール捌きを見せてチームのリズムをコントロールしていた。

だが相手ゴールを割ることはできず後半へ。56分にパク・クァンリョン選手がゴールネットを揺らしたがオフサイドの判定。李栄直選手も遠めの位置からミドルシュートを狙うなど積極的な姿勢を見せたが、チームは得点をあげることができないまま時間だけが過ぎていった。

そんななか今大会3試合3得点と絶好調のMFチョン・イルグァン選手がここ一番で決定力を見せつけた。

後半ロスタイム、左サイドからディフェンスラインの裏を突くクロスが放たれ、ボールに反応したMFソ・ヒョヌク選手がダイレクトで中央に折り返す。そこに走りこんだMFチョン・イルグァン選手が右足でゴールに蹴りこみ値千金の決勝点をあげた。

客席から声援を送る「南北合同応援団」(写真:盧琴順)
客席から声援を送る「南北合同応援団」(写真:盧琴順)

スタジアムは朝鮮の勝利を願う朝鮮選手団や「南北合同応援団」らの熱狂の渦に包まれた。

試合終了のホイッスルが鳴り響くと、朝鮮の選手たちはお互いに強く抱き合いながら土壇場で勝ち取った喜びを噛みしめ、観客席に手を振って声援に応えた。

試合後、チョン・イルグァン選手は興奮冷めやらない様子で、「得点した瞬間の気持ちはなんて表現したらいいかわからない。(今後も)サッカーは何が起きるかわからないので最後まで全力を尽くしてたたかうだけだ」と語った。

朝鮮は30日に行われる準決勝で強敵、イラクと対戦する。

(朝鮮新報)