〈男子重量挙げ〉62㎏級、キム・ウングク選手が金メダル

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スナッチと総合で世界新記録樹立

(사진 로금순기자)
重量挙げ男子62㎏級で優勝したキム・ウングク選手。世界記録を更新した試技の場面(写真:盧琴順)

【仁川発=文-李永徳、写真-盧琴順】「ウエイトリフティング強国」ここにあり。朝鮮の男子重量挙げチームが世界中の人々に強烈な印象を与えている。 20日の男子56㎏でジャークで世界新記録を打ち出して優勝したオム・ユンチョル選手に続き21日、男子62㎏級に出場したキム・ウングク選手(26)が朝鮮選手団にとって2個目となる金メダルをもたらした。記録はスナッチで154㎏、クリーンジャークで178㎏、総合で332㎏。スナッチと総合で世界新記録を樹立したパフォーマンスは、圧巻の一言だった。

(사진 로금순기자)
金メダル獲得を決めて喜びを爆発させるキム・ウングク選手

胸の国旗が力の原動力

2012年のロンドン五輪、スナッチで153㎏のオリンピック記録、総合で327㎏の世界新記録を樹立して金メダルを獲得したキム選手は、アジアの舞台でもその強さを遺憾なく発揮した。

会場には前日と同じく、南の市民団体らによる「南北合同応援団」のメンバーらが駆けつけ、トレードマークの赤いTシャツで観客席の一角を真っ赤に染めあげた。

朝鮮民族の勝利を全力をあげてサポートしたい。そんな南の市民たちの気持ちは会場の雰囲気を支配した熱狂的な声援に表れ、繰り返し会場に響き渡る「キム・ウングク」コールは金選手ににかつてないほどの大きな力を与えていた。

試合の出だしから、詰めかけた観衆は度肝を抜かれることになった。

金選手はスナッチの1回目で147㎏でアジア大会タイ記録を、2回目で152㎏を成功させ連続でアジア大会新記録を打ちたてると、熱烈な声援を味方につけ3回目で世界記録を1㎏上回る154㎏をあげて世界新記録を達成してみせた。その勇姿に胸を熱くした南の市民たちは、キム選手が控え室に戻った後もその名前を力強く連呼し、「ウリヌン・ハナダ(我らは一つ)」と声高に叫び続けた。

キム選手は金メダルと自身の記録更新に照準を合わせていた。

クリーンジャークでは1回目としては参加選手中、最も重い170㎏を軽々とあげると、迎えた2回目の試技でさらに場内を驚かせる。渾身の力を込めて174㎏を成功させ、自身が持つ総合の世界記録を1㎏上回る328㎏の世界新記録を叩き出し、他を寄せ付けない強さで優勝を決めた。

(사진 로금순기자)
世界記録を更新し、雄たけびを上げるキム・ウングク選手

会場のボルテージは最高潮に。誰もがさらなる高みを目撃できるか、期待で胸をふくらませていた。「選手なら誰もが世界記録を出したいだろう」とキム選手も気持ちは同じだった。観客たちの高まる期待に応え、そして自身の存在を世界中に示すかのようにキム選手は3回目の試技にで178㎏をあげて総合332㎏の世界新記録を更新してみせた。

その瞬間、キム選手は渾身のガッツポーズを決めながら全身で喜びを爆発させた。脳裏には、これまで歩んできた選手生活の道のりがフラッシュバックしていたことだろう。だからこそキム選手は最高の笑顔を浮かべながら、苦楽をともにしてきた監督やコーチ陣のもとへと走っていき、熱い抱擁を交わし、目には涙を浮かべた。

そして両手に強く握り締めた朝鮮国旗をなびかせながら観客席のもとへ。絶え間ない応援と力を送ってくれた観客たちに敬礼し、何度もお辞儀をして感謝の意を表した。

表彰台に登ったキム選手は、「愛国歌」が響き渡り、朝鮮の国旗が最も高く舞い上がる感動的な光景に涙をこらえるので必死だった。

試合後、キム選手は「湧き上がる喜びをどのような言葉で表現すればいいかわからない」と興奮した様子で語った。そして練習着の左の胸に刻まれた国旗に目をやりながら、「国旗を胸に刻んでこのような栄誉ある舞台に立てるのはスポーツ人だけだ。だからこそいい記録を残すことができた」と誇らしげに話しながら、「これからも朝鮮の威容を轟かせることを強く決意する」と拳を力強く突き上げた。

前日に続き、またもや朝鮮選手らによる重量挙げでの金メダル、世界新記録を目の当たりにした南の市民たちは感動の渦に包まれていた。押し寄せる感動に言葉を失い、とめどなく涙を流していた市民の姿もあった。

ある南の市民は、「北の選手が世界新記録を打ち立てたことで私たちがどれだけ喜んでいることか。南北交流が深まること、朝鮮半島の緊張が緩和されることを切に願っている。スポーツが両国間のわだかまりに風穴をあけてくれる大きなきっかけになってくれると信じている」と語った。

(朝鮮新報)