〈女子重量挙げ〉75kg級・キム・ウンジュ選手、世界新で金メダル
男女11階級で金4、銀3、銅2獲得
【仁川発=李永徳】競技初日目からメダルを量産し、立て続けに世界新記録を打ちたてきた朝鮮重量挙げチーム。その幕切れはこれ以上ないほどに華々しい結末になった。25日の同種目最終日、女子75級ではキム・ウンジュ選手がジャークで世界新記録、総合でアジア大会新記録を樹立して金メダル、リム・ジョンシム選手が銅メダルを獲得する活躍を見せた。これで朝鮮は重量挙げ男女11階級で金4個、銀3個、銅2個、計9個のメダルを獲得したことになった。
数々のドラマに偉業で終止符
試合開始前から朝鮮選手2人のメダル獲得への期待は膨らみを増す一方だった。最初に申告したスナッチの重さは参加選手中2、3番目に重いもの。実力はもとより自信の表れでもあった。
キム・ウンジュ選手が順調に120, 125, 128㎏と3回連続で試技を成功させた一方、リム選手は一回目にあげた118㎏の記録にとどまった。これで優勝の行方はほぼキム選手と131㎏をあげた中国の選手に絞られた。
勝負を決するジャークでは手に汗握る白熱した展開が繰り広げられた。
中国の選手が1回目に153㎏をあげると、負けじとキム選手も156㎏を成功させた。これで体重の軽いキム選手がスナッチでの3㎏差を埋めて総合で首位に躍り出た。2回目の試技で中国の選手が160㎏をあげても、キム選手は163㎏の世界タイ記録を打ち立てて1位の座を堅守してみせた。
この日会場には「南北合同応援団」だけでなく各競技の日程を終えた朝鮮の選手たちも応援に駆けつけていた。柔道、シンクロ、重量挙げなど、激戦を終えて間もない多くの選手たちが、国の威信をかけてたたかう同僚に熱い声援を送っていた。
勝負は最終試技に。中国の選手が逆転の望みをかけて164㎏に挑戦したが失敗。その瞬間、会場には耳をつんざくような大歓声が鳴り響いた。キム選手の金メダルが確定した瞬間だった。
割れんばかりの声援と拍手を受けながらキム選手が登場した。数々のドラマを生んできた朝鮮重量挙げチームの活躍を締めくくる最終試技。最高潮に達した会場のボルテージ、そしてその雰囲気に比例するように高まっていった期待に応えるように、164㎏を成功させて世界新記録を更新する偉業を成し遂げた。
キム選手は高々と拳を突き上げ、この日一番の歓声が会場にこだました。
キム選手はスナッチ128㎏、ジャーク164㎏、総合292㎏で1位、リム選手はスナッチ118㎏、ジャーク153㎏、総合271㎏で3位に輝いた。
連日続いた重量挙げの熱戦に終わりを告げる表彰式では、ふたつの朝鮮国旗が高々と舞い上がった。愛国歌の旋律が会場を包み、キム選手は涙を流し、会場に集った全ての朝鮮民族が胸の奥底から湧き出る民族のプライドを感じ取っていた。
「キム・ウンジュ!リム・ジョンシム!」「キム・ウンジュ!リム・ジョンシム!」
選手たちの活躍を称えて叫ばれたコールは、選手だけでなく同じ血筋を引く人々の心に深く染み渡っていった。
試合後、キム選手は「(優勝への道のりが)どんなに痛かろうが、恐かろうが、金メダルに向かって前だけを見据えて進んできた」とこれまでの歩みを振り返った。そして会場の声援について「応援してくれて本当に感謝している」としながら、世界新記録を樹立して金メダルを獲得したことについて、「(多くの人々の)期待に力をもらってきた。(その分、自分の成し遂げたことが)私だけでなく、人々の幸せになってくれたと思う」と語った。
一方、多くの記録を残してきた男女チームの両監督たちは、さらなる飛躍に向けて決意を新たにしている。
女子チームのチェ・ノンギュン責任監督は「女子の重量挙げでは世界新記録樹立がひとつだけにとどまったが、今後より多くの新記録を出して祖国の威容をさらに轟かせたい」と話し、男子チームのパク・キソン責任監督は「競技での成果は国の期待に応えようとする一念で勝ち取ったものだ。この結果に満足せずに大きな目標を持ち続け、より高い記録を残すために選手育成活動に最大限の努力を傾けてきたい」と抱負を語った。
(朝鮮新報)