〈70年の自負、100年への自信⑳〉朝大・各学部同窓会の活動(理学部、工学部)
2026年08月02日 09:00 寄稿 主要ニュース朝鮮大学校にとって2026年は創立70周年になる年です。当欄では、大学が歩んできた道のりや現在の教育内容、活躍している卒業生、70周年に向けた取り組みなどを多角的に紹介します。執筆は朝大の教員、関係者が担当します。(月1回掲載)
民族教育を支える静かな力/理学部同窓会 姜武勇会長
若い同窓会の独自の活動

朝大で開催された関東地方理学部同窓会(2025年7月、前列中央が筆者)
朝鮮大学校理学部は、1956年の大学の創立とともに前身である理数学科(2年制)から始まった。2002年3月までに約1500人が学び舎を巣立ち、それぞれの専門性を携えて社会へと羽ばたいていった。1999年に理工学部に再編されたが、理学部の精神は現在も同学部に引き継がれている。
伝統ある理学部であるが、同窓会の結成は2000年と比較的新しい。多くの卒業生が理数教員として朝鮮学校を支えてきたこともあり、同窓会は当初から民族教育を活性化するための独自の活動を展開してきた。横浜、東京、神戸では、各地の朝鮮学校の教壇に立つ理学部出身教員を招いた大慰労会を開催。教育研究会で表彰された教員には記念品を贈呈するなど、教員支援の取り組みを続けてきた。
理学部卒業生は日本や海外の大学・研究所でも活躍してきたほか、自然科学分野に限らず多様な業界で存在感を示している。こうした卒業生の活躍を紹介する1ページ広告を月刊『イオ』に投稿してきたが、掲載回数は実に36回にのぼる。
現在、理学部同窓会は第3期の活動を進めている。会員に寄り添い、親睦を深める活動を大切にしながら、創立当初から続けてきた民族教育支援も地道に続けている。
各地のウリハッキョで教える理数教員への支援や理数教育の発展に寄与するさまざまな援助活動は、同窓会活動において重要な柱である。
自然科学の学びを応援
今年、朝鮮大学校は創立70周年を迎えた。24年から始まった寄宿舎改築募金には多くの会員が参加し、26年2月には耐震工事が進む寄宿舎2号館の内装ペンキ塗りを同窓会有志が担った。1960年代、学生たちが寄宿舎建設に直接関わったことはよく知られている。60年の時を経て、同じ寄宿舎でペンキを塗りながら、当時の学生たちの精神に思いを馳せた。
理学部同窓会には課題もある。新規会員が増えることはなく、会員数は減少するほかない。だからこそ、活動を活発にし、民族教育と朝大を少しでも盛り上げていきたい。
理学部卒業生の心は熱いが、意見は多様である。同窓会活動への関心が薄い層に十分声が届いていない現実もある。より多くの卒業生の声に耳を傾け、その思いを形にしていきたい。
最後の理学部生が卒業してから24年。朝大は2027年度から学制が大きく変わる。自然科学を志す在日朝鮮学生の受け皿として理学部・理工学部が担ってきた役割に加え、データサイエンスなどの文理融合教育、AI・建築・食品学といった新たな分野へと教育領域を広げた「科学技術系」へ再編される予定だ。こうした変化の中で、数学や物理の法則といった基礎を楽しく学べる環境は、これまで以上に不可欠となる。
理学部同窓会は、これからも自然科学を志す学生を支え、かれらを導く理数教員への支援を続けていきたいと考えている。
新たな一歩を踏み出して/工学部同窓会 全秀英会長

工学部同窓会役員会にて尹碧巖前会長(左)と筆者(2026年4月)
先代の会長たちに感謝
工学部同窓会は、同窓生の想いと力を結集し、同窓会活動をさらに活性化させる節目として2026年4月に拡大役員会議を開催した。この役員会議を機に私が第3期会長を務めることとなり、新たな体制がスタートした。
朝鮮大学校工学部は、1958年に理工学部機械工学科として誕生し、67年には単独の「工学部」へと発展した。99年の学部再編による理工学部創設に伴い電子情報工学科へと移行したが、「社会の発展と人々の暮らしに役立つ創造的・実践的な科学技術を探求する」という工学部の精神は、AI時代を学ぶ理工学部の学生たちにも受け継がれている。
工学部は、その歴史の中で機械、電気・電子、金属・材料、情報など幅広い分野で活躍する約1千人の卒業生を送り出してきた。その絆をさらに深めようと、2000年に第1回工学部連合同窓会を開催し、工学部同窓会が発足した。初代会長の安永王氏(14期)のもと、ゴルフコンペやファミリーハイキングなどを通じて、世代を超えた交流を育んできた。
14年からは、尹碧巖氏(20期)が第2期会長として同窓会を牽引した。「人のためになる科学技術を探求してきた工学部の精神を、同窓会活動を通じて後輩たちへの支援につなげたい」という信念のもと、19年には約100人が参加した第2回工学部連合同窓会を成功させるとともに、朝大の記念事業や後輩たちへの支援に尽力し、母校の発展と卒業生の結束に大きく貢献した。この場を借りて、長年のご尽力に心から感謝と敬意を表したい。
「工学部」らしい活動を
今後はこうした先輩方が築いてこられた伝統を大切に受け継ぎながら、「工学部らしい」同窓会活動をさらに発展させていきたいと考えている。
当面の最大の目標は、朝大創立70周年記念寄宿舎建設募金事業の目標達成だ。これまでにも、多額の寄付を寄せてくださった方、学級全員へ積極的に呼びかけ多くの寄付を集めてくださった方、同窓会を朝大で開催し募金を託してくださった方など、多くの温かいご協力によって募金活動は着実に前進してきた。母校と後輩たちを思う皆さまの真心に、改めて感謝申し上げるとともに、今後も力添えをお願いしたい。
理工学部への再編により、もはや新たな工学部卒業生が誕生することはない。しかし、その精神を受け継ぐ理工学部の学生たち、そして朝鮮大学校で学ぶすべての後輩たちは、私たちの未来であり希望だ。工学部同窓会は新体制のもと、卒業生同士の絆をさらに深め、すべての朝大同窓生と心を一つにしながら創立70周年を大きく盛り上げ、母校と在日同胞社会の未来に貢献する活動を力強く進めていきたい。
(朝鮮新報)

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