米国の横暴を許すな/東京で朝鮮戦争終結を求める集会
2026年07月09日 17:19 社会 主要ニュース
日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク(日朝全国ネット)と東アジア市民連帯が共催する「朝鮮戦争停戦73年戦争終結を求める集会―アメリカの横暴を許すな―」が7日、連合会館(東京・千代田区)で行われた。日朝全国ネットの藤本泰成、保坂正仁共同代表をはじめとする日本の市民団体のメンバー、各界各層の日本人士、総聯中央の徐忠彦副議長と関東地方の総聯活動家、同胞ら100余人が参加した。今回の集会は、戦争を繰り返し「世界の大国」として君臨してきた米国と、いまだ続いている朝鮮戦争、そしてそれ以降も戦争が終結してしない状況をどうとらえるのかということを問う場となった。

集会ではまず、主催者を代表して朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会の長谷川和男共同代表があいさつした。
長谷川共同代表は、米国が絶えず戦争をし続け、力によって世界の政治を席巻している現状に触れた。そして現状を変えるためにも今回の集会の目的が達成されることを祈念し、講演者たちがそれぞれの視点で米国の侵略性、本質を解き明かしてくれることを期待すると述べた。

来賓としてあいさつした徐忠彦副議長は、米国、イスラエル、ウクライナ、日本で現代版国粋主義が横行し、西欧諸国が迎合するなか、それに対抗する反帝国主義、自主勢力の結束も強化されていると言及。日米同盟の従属的政治軍事構造上、朝鮮半島有事は日本有事となり、朝鮮戦争の終戦と平和は日本の真の平和と独立、主権回復と直結していると述べた。
また、日本の真の平和と安定は朝鮮半島と台湾海峡の平和と安定にあり、朝・日、中日関係の改善が必要不可欠であるが、高市政権において朝中両国と日本との関係改善、政府間対話が望めない中、民間における交流と対話が重要だと強調。日朝全国ネットと東アジア市民連帯をはじめとする集会の参加者たちが対話の役割を果たすことを確信し、そのために総聯も協力を惜しまないと述べた。
続いてピース・フィロソフィー・センター代表の乗松聡子さんと沖縄国際大学・大学院教授の前泊博盛さんの講演が行われた。

乗松さんは「覇権にしがみつく米国と、日本の責任」という題目で、朝鮮戦争は植民地時代に日本に抵抗した者たちと協力した者たちの間の戦いであったという側面に触れ、日帝による朝鮮植民地支配は朝鮮戦争につながったと指摘。そして日帝による朝鮮植民地支配と朝鮮戦争の連続性、日本の731部隊の研究結果が米国に渡され、それをもとに朝鮮戦争で細菌戦を行った事実を紹介。植民地支配した上に、朝鮮戦争の「特需」で戦後復興を加速した日本の罪は重いと述べた。
また、現在も続くウクライナ戦争は、米国が挑発に挑発を重ねて招いたと述べながら、朝鮮がロシアとの包括的戦略パートナーシップ条約に基づきクルスク解放作戦に参戦したことは、正義の側に連帯したのだと指摘した。
乗松さんは、現在、アメリカをはじめとする西側諸国は失いつつある覇権を維持するために世界中で戦争を起こしているが、日本は米国にしがみついたままでいいのかと問い、日本は脱亜入欧をやめ、アジアに戻るために帝国時代の植民地責任、戦争責任、沖縄に対する責任に真摯に向き合うべきだと述べた。

「沖縄からみた朝鮮戦争」と題してオンラインで講演した前泊さんは、「反共の要石」「防共の防波堤」として位置づけられた沖縄は、1950年に勃発した朝鮮戦争により、恒久的な軍事基地化が決定され、52年4月28日に連合国の占領統治が終わり、日本が主権を回復した後も米軍統治下に置かれることになった経緯を説明。そして戦後81年を経た現在も、国土面積の0.6%である沖縄に在日米軍専用施設の70%が集中し、基地被害、米兵犯罪が本土復帰後53年間だけでも6000件を超え、そのうち580件が凶悪犯罪だと指摘した。さらに、朝鮮半島で戦争が起こった場合には、沖縄は米国の前線基地として多くの犠牲を払うことが懸念されることを、在沖米海兵隊現役幹部のことばを引用し強調した。
集会では、米日韓軍事演習の中止、日朝国交正常化の実現、朝鮮戦争の終結を求めるアピール文が採択された。そして22日に米国大使館への抗議行動を行うと伝えられた。

閉会のあいさつを行った日朝全国ネットの藤本共同代表は、講演を通じて多くの国への不当な軍事介入を繰り返し「力による正義」を押しつけてきた米国という国の本質を問い、また、敗戦後もアジア蔑視、植民地主義を持ち続けてきた日本は、欧米への憧憬を断ち切り植民地主義を払拭することが必須だということを改めて確認することできたと述べながら、日本がアジアの一員として正しい社会を築いていけるよう平和連帯運動をいっそう力強く進めていこうと訴えた。
(許侑琳)