〈学美の世界 85〉「美術を学ぶ人へ」の一文/朴美奥
2026年06月07日 08:00 寄稿 主要ニュース新年度が始まる度に必ず読み返す言葉がある。それは、彫刻家の佐藤忠良が、美術の教科書「少年の美術」(現代美術社、1984年)に寄せた「美術を学ぶ人へ」という一文である。
「芸術というものは、科学技術と違って環境を変えることはできないものです。しかし、その環境に対する心を変えることはできるのです。 詩や絵に感動した心は、環境にふりまわされるのではなく、自主的に環境に対面できるようになるのです。この直接役に立たないものが、心のビタミンのようなもので、しらずしらずのうちに、私たちの心のなかで蓄積されて、感ずる心を育てるのです。人間が生きるためには知ることが大切です。同じように、感ずることが大事です 」
私にとってこの言葉は、戒めでもあり励みでもある。美術作品とは、その作者の感ずる心の結晶なのだろう。そして学生美術展に展示されている作品たちも同様に、さまざまな心の結晶のクラスターなのだ。
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