〈さくっと解説~知識の源Q&A〉BRICSと多極化世界


多様・複雑化する昨今の日本社会で、相互理解の前提となる知識や認識の積み重ねは、一層その必要性を増している。【企画】知識の源Q&Aでは「社会を知る~今週のnewsトピック~」(本紙毎週月曜日号)と関連して、今知っておきたい知識をQ&A形式で紹介する。

ロシアとウクライナの対立を巡り、ウクライナ支援で結束を強化する西側諸国と、ロシアへの制裁 に反対する非西側諸国の間で、立場の違いが鮮明になっている。とりわけ後者の陣営では、BRICS諸国 が存在感を示している。国際秩序が激動の転換期に入っている今、BRICSが果たす役割とは何なのか。

Q. BRICSとは?

A. ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ (South Africa)の英語の頭文字を並べたもので、経済成長が著しい新興5カ国を意味する造語。これらの国々は広大な国土と豊富な資源を持っていて、5カ国を合わせると、その人口は世界全体の約40%、国内総生産(GDP)は約25%を占める。2009年6月にロシアで初の首脳会議が開催されて以降、定期的に閣僚及び首脳レベルの会議が行われてきた。BRICSは単なる経済圏や貿易圏にとどまらず、2014年には発展途上国の経済発展を支援することを目的とする新開発銀行を設立し、世界各国の持続可能なインフラや再生可能エネルギーへの投資を行っている。

Q. 最近の動きは?

A. 6月23日、24日にかけて中国を議長国とする第14回BRICS首脳会議がオンライン形式で行われ た。5カ国は、グループ間の関係を強化、互恵の原則に基づいて政治、安全保障、経済、金融、人的交 流などの分野で協力を拡大していくことに合意し、多国間主義に基づいてBRICSのメンバー拡大を推進 することを明記している北京宣言を採択した。

同24日にはBRICS拡大会議が開催され、BRICS加盟国とともに、アルジェリア、アルゼンチン、エジプト、インドネシア、イラン、カザフスタン、セネガル、 ウズベキスタン、カンボジア、エチオピア、フィジー、マレーシア、タイの13カ国が参加した。イランとアルゼンチンがBRICSへの加盟を申請しているほか、エジプト、アルジェリア、トルコ、サウジアラビア、アフガニスタンなどの国々も加盟に関心を示している。

Q. なぜ関心が集まっているのか。

A. これまでは米国主導の国際通貨基金(IMF)や世界銀行(WB)が国際経済秩序において大きな影響力を及ぼし、一国主義や冷戦思考によって新興国や途上国の発展が脅威に晒されてきたが、多国間主義を 掲げるBRICSの協力メカニズムは、新興国の経済的な補完性や文化の多様性を保ちながら相互のニーズを満たすことができるとされている。

BRICSの経済規模は遠くないうちに、主要先進国によるG7(米 国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本)のそれを超えると予想される。これらの点から、多くの国々がBRICSに期待を寄せている。

前述した拡大会議の参加国は、欧米とは一定の距離を取り、ウクライナ事態を契機にして強まったロシアへの制裁も見合わせている。BRICS陣営に対露制裁に加わっていない非西側諸国を含めると、その人口は世界の約85%を占める。ウクライナ事態終結 後、BRICS が新世界秩序の中心になると見る専門家もいる。

Q. 朝鮮の反応は?

A. 朝鮮外務省は8月7日、ホームページに掲載した記事を通じて、「BRICSは、米国が主導する一極化世界経済に挑戦し、国際経済関係の多極化を実現する上で大きな役割を果たしている」との見解を示し、「国際経済関係の多極化は防ぐことのできない時代の流れだ」と指摘した。

また、9月12日の国際南南協力デーに際して外務省ホームページに掲載した記事では、「BRICSが途上国による南南協力を促進する上で重要な舞台として登場してい」るとし、「朝鮮はこれまでと同様、今後も世界の全ての発展途上 国との親善協力関係をよりいっそう強化し、正義と平等、公正性に基づいた新しい国際経済関係を樹立するために積極的に努力していく」との立場を示している。

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