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〈関東大震災99周年追悼式典〉群馬・成道寺

2022年09月12日 17:24 歴史

官民一体の犯罪、犠牲者の冥福祈る

関東大震災朝鮮人犠牲者99周年慰霊祭が10日、群馬県藤岡市の成道寺で行われた。

日朝友好連帯群馬県民会議と「藤岡事件を語り継ぐ市民の会」(「市民の会」)が共催する関東大震災朝鮮人犠牲者99周年慰霊祭が10日、群馬県藤岡市の成道寺で行われた。慰霊祭には、総聯中央権利福祉局の任京河局長、総聯群馬県本部の李和雨委員長をはじめとした県内の同胞、日本市民ら約70人が参加した。

1923年の関東大震災時、藤岡市(当時は藤岡町)では9月5~6日にかけて藤岡警察署に「保護」されていた朝鮮人17人が、流言飛語により暴徒化した日本市民に虐殺された。「藤岡事件」とよばれるこの事件については、「自警団」に暴行され、「保護」を担当したはずの警察によって無残にも皆殺しにされた凄惨な事件の様子が、当時の住職が残した過去帳に記されている。

県民会議が中心となり、関東大震災70周年に際し始まった慰霊祭は今回で29回目。慰霊祭では、共催団体からのあいさつに続き、各団体代表らが焼香した。

感染症対策のため、各団体代表と来ひんのみが本堂に入り、その他の参列者は境内から参加した。

つづいて、藤岡市の髙橋厚副市長、県民会議の角田義一代表、「市民の会」の新島都代表世話人、総聯群馬県本部の李和雨委員長がそれぞれ追悼の言葉を述べた。

李和雨委員長は朝鮮の朝鮮人強制連行被害者・遺族協会から送られた追悼の辞を紹介しながら、朝鮮民族が強いられたすべての悲しみと苦しみ、苦痛と被害の歴史を継承していくために、自らの責任を果たしていくことを誓った。

また、この日参列者らには共催団体から虐殺事件の背景と慰霊祭の意義に関する資料が配布された。同資料では、関東大震災時の朝鮮人虐殺が「官民一体の犯罪」だとしたうえで、朝鮮への制裁や在日朝鮮人に対する差別・敵視政策、社会に蔓延するヘイトスピーチの放任など、日本政府の一連の姿勢・政策を断固として変えていかねばならないとの言及があった。

成道寺墓地にある朝鮮人犠牲者慰霊碑を訪れ、犠牲者らの冥福を祈って焼香を捧げる参列者たち

慰霊祭は、成道寺住職による読経が行われた後、締めくくられた。

閉会後、参列者たちは、成道寺墓地にある朝鮮人犠牲者慰霊碑を訪れ、犠牲者らの冥福を祈り、焼香を捧げた。

【群馬支局】

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