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東京中高沿革展示室の見学と講演会/東京第4初中支援団体が主催

2022年07月22日 12:20 交流

朝鮮学校の歴史学び、活動を

「東京朝鮮第四幼初中級学校を支援する会」が16日、「朝鮮学校の『過去・現在・未来』と私たち」と題したイベントを東京中高で開催した。

昨年10月に結成した東京第4初中の支援団体「東京朝鮮第四幼初中級学校を支援する会」(以下、「第四支援の会」)が16日、「朝鮮学校の『過去・現在・未来』と私たち」と題したイベントを東京中高で開催した。同校沿革展示室の見学と、講演会で構成されたイベントには、「第四支援の会」のメンバーなど約40人が参加。参加者たちは、高級部2年の生徒らの案内を受けながら沿革展示室を見学した後、「第四支援の会」共同代表の田中宏さんによる講演「朝鮮学校は『炭鉱のカナリヤ』」を聞いた。

この日のイベントは、昨年完成した東京中高の沿革展示室の見学と講演を通じて、朝鮮学校の歴史を学び、日本社会で共に生きる在日朝鮮人が受ける差別や人権侵害について知ること、多文化共生を実現する社会とは何かを考えること―を目的に企画された。

「第四支援の会」の鴻巣美知子事務局長によると、20年2月の準備委員会立ち上げ、21年10月17日の結成総会を経て、今年3月に同イベントを予定していたが、コロナ第6波の影響で延期に。4ヵ月ぶりの開催となったイベント当日は、「第四支援の会」の中心となる足立区民だけでなく、都内各地や神奈川県などから初めて同校を訪問する参加者らも多く見受けられた。

「過去に学校の土地は弾薬庫だったのか」「オッコルムは自分で縫って替えているの?」「何の授業が一番楽しい?」

沿革展示室の見学中、参加者たちからは、展示内容に関する質問に限らず、案内した生徒らに学校生活などについて聞く場面もあり、見学や交流の機会を改めて設けられたらとの声があがっていた。

東京中高の沿革展示室を見学する参加者たち

フリーライターの松本浩美さんは、沿革展示室を見学できるというイベント内容に魅かれて参加したという。

松本さんは「(東京中高には)何回か訪れたこともあり、美術部の展示会に行って生徒さんたちと話すなど交流があった。けれど今日の見学を通じて、いろんな出来事が一目でわかる年表や写真をみると、普段の交流ではみえなかった朝鮮学校に対する弾圧の歴史を改めて感じた」と語る。そのうえで「今日案内してくれた生徒さんに恥じない大人にならなくてはと思ったし、身近なところから積み重ねる交流が大事だと感じた」と感想を述べた。

また、過去に北海道初中高を見学したことがあるという南朝鮮からの留学生は、知人の紹介で参加。「朝鮮学校や在日朝鮮人への差別状況と関連しては、日本だけでなく過去に棄民政策をとった南社会に対しても責任を問うていく必要があると感じた」と述べながら「自分は大学で在日朝鮮人の先生と出会い、その方に学ぶことで知ることができた。依然として韓国では市民の多くが無関心な状況なので、さまざま場面で学んだり交流する機会が増えれば」と話した。

他にも、「大きな歴史の流れの概略がよくわかる展示内容だった」「在日朝鮮人の歴史、民族教育の尊い歩みを、展示室に入った途端に肌で感じるような気がした」などの感想が寄せられた。

「第四支援の会」では今後、東京第4初中への訪問、同校教職員や保護者らとの交流のほか学習会など多様な活動を続けていく予定だ。

(韓賢珠)

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