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〈本の紹介〉ミョンヘ/キム・ソヨン著、梁玉順・吉仲貴美子訳

2022年06月11日 09:00 文化

植民地期の複合差別を少女目線で

「この国に生まれたら、女だって男だってみんな朝鮮人じゃないの」。日帝による朝鮮植民地期の1910年代。両班家の娘、14歳のミョンヘは早期結婚の因習に抗い、新学問への夢を実現するべく京城(現在のソウル)の女学校への進学を果たす。そこでミョンヘを待っていたものとは?――

影書房、2200円+税、03-6902-2645

激動の植民地時代を生きた少女の生きざまを躍如として描いた本書は、南朝鮮で2007年に出版された同名原作の翻訳書。南で出版された当時、少女の視点で植民地期を描いた児童文学として反響を呼び、中学校の国語教科書にも一部掲載された。翻訳出版にあたって著者は日本の読者に向けて、朝鮮半島と日本の間に横たわる歴史認識の違いを「解決すべき課題」として呼びかけている。

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