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今年を締めくくる舞台/金剛山歌劇団西東京公演、800人で盛況

2021年12月21日 15:01 文化

”心の凝りがほどける気分”

2021年度の金剛山歌劇団アンサンブル公演「솔SOLL」西東京公演が20日、府中の森芸術劇場(東京都府中市)で行われた。総聯西東京本部の金益淳委員長と同胞、府中市の高野律雄市長、国立市の永見理夫市長など来賓を含む日本市民ら約800人が観覧した。

新型コロナの影響で2年ぶりの巡回公演となった今年、金剛山歌劇団は7月の阪神地区公演を皮切りに、日本各地13カ所で公演を行ってきた。2021年の最終公演となったこの日は、昼の公開リハーサルと夜の公演との2回に分けて行われた。会場では、検温や消毒、整理券の配布、座席の制限など、徹底した感染防止対策が施された。

混声重唱と舞踊「明けゆく空に」

混声重唱と舞踊「明けゆく空に」で幕を開けた公演は、色とりどりのチマ・チョゴリをまとった歌手たちの歌声と、舞踊手の優雅な踊りで観客を魅了。華やかなステージに客席は拍手で沸いた。今年度巡回公演のタイトルでもある「SOLL(松)」について歌った独唱「南山の青い松」や、舞踊「手太鼓の舞」、ソヘグム5重奏「ひばり」、チャンゴ重奏と舞踊「歓喜」など、朝鮮の歌や踊り、楽器の演奏など、華やかな17の作品がステージを彩った。

凛とそびえたつ松の木のように、どんな困難も乗り越え、変わらぬ思いで祖国統一と朝・日親善のための未来を切り開こう―。団員たちの決意が存分に表現されたステージに、観客たちは感動をそれぞれ口にした。

女性重唱「丹心~時は流れても」

毎年のように歌劇団公演に足を運んでいるという李愚康さん(81、中部支部)は「金剛山歌劇団の舞台を見ると、いつも心の凝りがほどける気分になる。コロナ禍で過ごす憂鬱な気持ちも、全部飛んでいった」とほほを緩めた。

特に、チャンゴ重奏の迫力ある舞台が印象に残ったという李さん。「朝鮮民族特有のチャンダンが軽快だった」と興奮したようすで話しながら「これからも、朝鮮芸術を広く発信してほしい」と俳優たちにエールを送った。

チャンゴ重奏と舞踊「歓喜」

李さんの妻、黄英玉さん(79)は、混声2重唱「学校は私たちの故郷です」について言及しながら「ウリハッキョに通う子どもたちは、私たちにとって宝だ。情勢は依然と厳しいけれど、祖国と同胞社会のためにすくすく育ってほしいという思いだ」と語った。

「女声3重唱『明るい未来へ』がすごく良かった」と口をそろえたのは、西東京第2初中の金粋璃さんと金璃世さん(いずれも中1)。それぞれ声楽部と美術部という芸術系の部活動をする二人。歌劇団公演は、日常的に観ないからこそ「新鮮で、すごく楽しい時間だった」という。

2回目の観覧だった璃世さんは「幼い頃にみた時と感じるものが違って、衣装など細かいところからステージ全体まで華麗だった」と目を輝かせる一方、今回が初の観覧だという粋璃さんは「明るい歌や舞踊だけでなく、深いストーリーのある演目など、いろんなバリエーションがあって楽しかった」と感想を述べた。

金剛山歌劇団アンサンブル公演「솔SOLL」西東京公演が20日、府中の森芸術劇場(東京都府中市)で行われた

(文=金紗栄、韓賢珠・動画=林里香)

 

 

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