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〈取材ノート〉ピリオドからのリスタート

2021年08月28日 10:00 コラム

今年4月、朝高出身の最年長トップリーガーとして同胞ラグビー界をけん引してきた成昂徳さん(38、大阪朝高卒)が現役を引退した。ラグビー界の第一線で活躍しながらチームを支えてきたいぶし銀が、プロで15年、大阪朝高でラグビーを始めてから22年間の現役生活にピリオドを打った。

「40歳現役」が目標だった彼にとって38歳で引退を決意したのは苦渋の決断だったのかもしれない。インタビューでは「心のどこかでまだ続けたいという気持ちが残っている」と悔しい表情を浮かべていたのが印象的だった。

日本のプロ野球選手の平均引退年齢は29.7歳で、Jリーガーは約26歳だという。ラグビー選手は約29歳といわれている。ここ数年間で両足のアキレス腱を負傷する大けがも負った成さん。立ちはだかる数多の苦難を乗り越えて、これら平均の引退年齢を上回り、ラグビーを続けてこられた理由をこう語る。

「応援し、支えてくれた同胞や日本のファンに対する感謝の気持ちを常に持って、結果を必ず残すという一心で何事にもひたむきに取り組んできた」

他方で現役時代、後輩たちの道を切り開こうと先駆者としてラグビー界を走ってきた成さん。引退後は「同胞スポーツ界を盛りあげたい」と、三菱重工相模原ダイナボアーズの普及アカデミースタッフとして、育成活動においても自身が後輩たちの手本となる新たな決意でみなぎっていた。

(全)

 

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