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〈取材ノート〉「諦めずに、戦え」

2021年08月05日 11:50 コラム

「見ろ、この俺を。諦めなければ、形になる」

6月26日、東京・大田区総合体育館。第64代三冠ヘビー級王者に輝いた同胞プロレスラー、ジェイク・リー選手はタイトルマッチ後のリングでこう話した。順風満帆とは言えないプロレス人生を歩んできたジェイク選手だからこそ、言葉にはいっそうの重みを感じた。

11年1月に全日本プロレスに入団するも、けがの影響などにより引退。15年6月に再デビューを果たした後も、芽が出ない日々が続いた。ファンや関係者から心無い言葉を浴びせられ、心が折れかけたこともあった。

それでも、諦めなかった。ひたむきに強さを追い求め、努力を重ねた。「今に見てろ。俺は負けない」―そうした反骨心が、ジェイク選手に「全日本プロレス最強の証」、三冠ベルトをもたらした。

そんな彼にとって、自身の「原点」と語る母校の北海道初中高や、在日同胞は特別な存在。多方面から寄せられた祝福に感謝しながらも、コロナ禍や民族差別にあえぐ同胞たちへあえて厳しい言葉でエールを送る。

「在日1世たちが強いられてきた苦労に比べたら、今の状況なんて屁でもない。それぞれの舞台で諦めずに戦え。そうすればどんな形でも、必ず結果は生まれる。俺はそれをこれからもリング上で示していくから」

7月22日の三冠王座初防衛戦に勝利したジェイク選手。8月には史上初の年間シングル5冠王をかけたトーナメント戦に挑む。これからのジェイク選手の活躍に期待したい。

(根)

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