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【詳報】<全国高校ラグビー>大阪朝高がベスト16進出/7トライの猛攻、無失点で圧倒

2020年12月30日 19:36 主要ニュース

大阪朝高は昌平高校に勝利しベスト16進出を果たした

「第100回全国高等学校ラグビーフットボール大会」(花園、12272119日)の2回戦が30日に花園第2グラウンドで行われ、大阪朝高が43―0で昌平高校(埼玉第2)を下し、ベスト16進出を果たした。

「全員で年越しを」

今大会でシード権を得た大阪朝高ラグビー部は、28日の1回戦で朝明高校(三重県代表)を348で下し、2回戦へと駒を進めた。

振り返れば2年前の第98回大会、大阪朝高は2回戦でBシードの報徳学園と対戦。シード校を相手に果敢に挑むも、2回戦で「花園」を去った。当時の経験から、権晶秀監督は試合前にこう言いながら、選手たちの気持ちを引き締めた。

「相手は3年間のすべてをぶつけて挑んでくるだろう。こちらがシード校だからといい、どっしりと構えるのではなく、全身全霊で相手を迎え撃とう」

大阪朝高は昌平高校に勝利しベスト16進出を果たした

2回戦の相手は、バックスに定評のある昌平高校。試合では、「相手がどんな形で攻撃を仕掛けてきても全力でプレッシャーをかけ、相手の攻め手を封じる」ことが重要になると、権監督は語った。

金勇哲主将は「自分たちがこれまで準備してきたものを信じ、自信を持って戦えば必ず相手を圧倒できる。このメンバー全員で年越しができるよう、勝つことだけにフォーカスしたい」という意気込みで2回戦を迎えた。

堅守で完封勝利

試合前から花園第2グラウンドには強風が吹き荒れた。

前半に風下に立った大阪朝高は、試合開始早々に趙英紀選手(高3PR)が先制トライを決め、1回戦に続きこの日も幸先良いスタートを切った。しかし、その後は風上から攻撃を仕掛ける昌平に対して、防戦が続く。それでも、同部伝統の力強いタックル、堅い守備で幾度のピンチをしのぎ、相手に主導権を渡さなかった。

大阪朝高は力強いタックルで相手を無失点に抑えた

均衡した展開が続くなか、前半21分に趙廣來選手(高2WTB)がトライを決め、待望の追加点を獲得。前半終了間際には金智成選手(高3NO8)がトライを決め、170で前半を折り返した。

後半には途中から激しい雨が降り注ぐも、今度は風上をうまく利用した大阪朝高が試合を優位に進め、トライを量産。守っては無失点の圧勝でベスト16進出を決めた。

昌平高校の御代田誠監督は「朝高はスキルの高い選手が多く、こちらの持ち味を出させてくれなかった。胸を借りるつもりで挑んだが、実力差を痛感した」と試合を振り返った。

大阪朝高は合計7トライを奪う猛攻で相手を圧倒した

「苦しい時間帯が続くなか、トライを取られたら選手たちにどう声をかけようか考えていたが、杞憂だった」

試合後、権晶秀監督はそう言いながら、フォワード陣を筆頭に、粘り強い守備で無失点に抑えた選手たちを称えた。なかでも、負傷している金勇哲主将に代わり、NO8でフォワード陣をけん引した金智成選手は「慣れないポジションのなか、体を張ってくれた」(権監督)。

苦しい時間帯が続いた前半、金智成選手は「ここを守り切ったら後半は楽になる」と、選手たちを鼓舞した。

「主将の勇哲のように馬力や突破力はないけど、持ち味の運動量や走力でカバーすることができた。1日の3回戦はスタートから勇哲がNO8としてチームをけん引してくれる。自分は本職のフランカーで泥臭いプレーでチームに貢献したい」

フォワード陣をけん引した金智成選手

202111日に行われる3回戦(花園第1グラウンド、1250分キックオフ)の相手は、「花園」通算68回出場、15回優勝と、いずれも最多記録を誇る秋田工業高校。今大会の2回戦では、「花園」通算勝利数歴代最多を更新する134勝目を挙げた。

94回大会(201415年)以来のベスト8進出を目指す大阪朝高。金勇哲主将は「今日の結果に満足し、油断したら足元をすくわれる。自分たちのプレーの精度を上げ、必ず勝利を収めたい」と意気込んでいる。

権晶秀監督は「11日に『花園』でラグビーができるのは、高校ラガーマンたちにとってとても幸せなことだ」としながら、「相手はノーシードだが、伝統のあるチーム。チャレンジ精神をもって挑みたい」と話した。

(文・全基一、写真・盧琴順)

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