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幅広い世代が朝大を疾走/第5回同胞タルリギフェスティバル、過去最多600余人が参加

2019年11月27日 11:40 スポーツ 主要ニュース

幅広い世代が出場し、各競技で汗を流した。

「第5回同胞タルリギフェスティバル」(主催=同実行委、主管=在日本朝鮮人陸上競技協会)が11月24日、朝鮮大学校で行われた。総聯中央の宋根学教育局長、朝大の韓東成学長、総聯西東京本部の金益淳委員長、総聯東京都本部の副委員長たち、体連の李清敬副会長、陸上競技協会の朴世權会長、学齢前児童から一般までの同胞、朝鮮学校の児童、生徒ら600余人が参加。「集まろう、楽しもう、走ろう、つなごう! 朝鮮大学校で!」をスローガンに掲げた今大会では、幅広い世代が走りを楽しみ、爽やかな汗を流した。

駅伝で31チームが熱戦

同胞タルリギフェスティバルは15年から毎年行われる過程で、同胞や朝鮮学校の児童、生徒らの間で認知度が高まってきた。昨年大会以降、陸上競技協会の役員らは節目となる今大会を成功させようと、幅広い団体に協力を呼びかけるなど準備活動に奔走。その結果、今大会は当日朝まで雨が降っていたにもかかわらず、過去最多の参加者で賑わった。

最後に行われた駅伝では4人の走者がタスキをつないだ。

競技は、学齢前児童から一般まで幅広い世代が参加するロードレ―ス(1、3、5、10周の部、1周約1.2km)、初級部低学年から中級部までが中心に参加する短距離徒競走「誰が一番早いかな?」、学校対抗短距離リレー、駅伝(4区)が行われた。とりわけ、過去最多となる31チームが参加した駅伝は盛り上がりを見せた。

また、昨年につづいて子どもたちを対象とした「走り方教室」が行われた。教室では、十種競技の元朝鮮代表である金尚龍さん(神戸朝高、順天堂大学出身)、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定トレーナーの李彰浩さん(広島朝高、順天堂大学出身)がゲーム形式の練習を通じて、速く走るためのコツを伝授。当初の予定時間を過ぎても希望者が押しかけるなど、参加者たちから好評を得ていた。

ロードレースの「親子ラン」

今大会には家族、親戚総勢13人でエントリーした同胞たちがいた。そのうち康明心さん(43)は初2、4歳の子どもと一緒にロードレースの「親子ラン」に出場した。

「実を言うと、天候が思わしくないから参加を見送ろうと思っていた。でも、子どもがどうしても『タルリギに出たい!』と言うので。昨年の大会でメダルをもらえたことが、すごく嬉しかったみたい」(康さん)

こうして母の説得に成功した李喜淵さん(初2)は「今年もおもしろかった」と感想を残し、来年はもっとたくさんの競技に「出たい!」と意欲をのぞかせた。

駅伝に過去最多の31チームが参加し、盛り上がりを見せた。

駅伝の一般部門に出場した朝青支部チームの中には、居住地域代表として力走を見せた朝大生らの姿もあった。

朝青板橋支部のメンバーである朴鍾亨さん(経営学部4年)は競技終了後、「他の支部に負けたくなかった」としながら疲労困憊のようすだった。来年の競技出場に関しては言葉を濁らせつつ、「次は動員側に回って、もっと多くの支部朝青員を呼びたい」と語った。

走る楽しさ

参加者たちが見守る中で疾走する走者たち

昨年の駅伝初級部部門で1位に輝いた東京第4初中は、今大会でも実力を発揮し2連覇。両大会に出場した高唯梛さん(5年)は「来年も必ず優勝したい」と3連覇を虎視眈々と狙っていた。

「走りが得意」と笑顔で話す高さんは、毎年9月に行われる東京初級学校陸上競技大会でも高い成績を残してきた。昨年は100メートル3位、長距離1位を記録し、今年は両競技で優勝。速さの秘訣を聞くと、「手を振る角度」との答えが返ってきた。なんでも在日本朝鮮人東京都陸上競技協会が主催する「1、2、3タルリギ教室」(江戸川区陸上競技場)で教わったのだという。

フェスティバルでのタルリギ教室は今年も好評を博した。

東京陸上協会は、走ることの楽しさや重要性を多くの人に知ってもらうため、初級部高学年から社会人までを対象にした同教室を昨年から開催している。姜俊成会長(60)によると、児童や保護者たちから好評で、来年以降は都内の学校でも教室を開く予定だという。

東京陸上協会は他にも、毎月第2週日曜日に愛好家を募って東京朝高周辺でランニング、ウォーキングを行い、前述の東京初級学校陸上競技大会をバックアップするなど、地道な活動を行っている。

在日本朝鮮人陸上競技協会の朴世權会長は、「走りは基礎体力、運動神経の向上につながる。より広く普及することで、同胞スポーツの強化、同胞社会の活性化に寄与したい」としながら、今後の目標として、全国規模となるタルリギフェスティバルの開催、学生中央体育大会での陸上競技の復活などを挙げた。

(李永徳)

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