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〈取材ノート〉ウリハッキョで育った選手たち

2014年03月15日 13:16 コラム

本紙2月18日付から同胞プロサッカー選手たちの熱い思いや夢を紹介する「蹴球七日」の連載を始めた。取材のため川崎フロンターレに所属している安柄俊選手(23)を訪ねた。取材ノート

安選手は大学界屈指のストライカーとして活躍し、プロ契約。所属クラブには日本代表クラスの選手たちが多数いる。これまで17歳以下のW杯に出場した朝鮮代表に選出され、すでにA代表歴もある。

実は安選手と記者は同級生。初級部から高級部まで共にサッカー部に所属し共に練習に励んだ仲だ。

現在、Jリーグの舞台に立っている同胞選手のほとんどがウリハッキョ(朝鮮学校)出身。「在日朝鮮人と言えばサッカー」という言葉がよく聞かれるが、彼らは幼い頃、ウリハッキョで初めてボールを蹴る喜びを覚えたことだろう。

日が暮れるまでサッカーに興じ、一緒に夢を追いかけたかけがえのない仲間たち。本当の親のように時には厳しく、時にはやさしく接してくれる恩師たち。そして周囲にはいつも温かく支えてくれる同胞たちの姿があった。そんな環境の中で選手たちは、技術的にも人間的にも大きく成長していった。だからこそ、「プロサッカー選手として同胞たちに夢を与えたい」という安選手の言葉には、心を打たれた、同時に頷けもした。

同胞たちが選手たちを「より身近な存在」に感じ、サッカー少年たちに「夢は叶う」という希望を与えるきっかけになれば。志を高く持ちながら奮闘する同級生を見て、舞台は違えど大きな刺激をもらうことができた。(徳)

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